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2023年02月17日
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vol.1173 記事一覧

1月の概況と2月の見通し

まいわし

まいわしは、まき網では三陸~常磐沖で操業した。魚体は小中羽~中羽主体で、銚子では一時1日あたり1千500トン~4千トンのまとまった水揚げがみられた。また、三陸沿岸で定置網、岩手・宮城県沖で棒受網による漁獲がみられた。

1月上中旬の主要港における水揚量(以下「1月上中旬の水揚量」という。)は2万2千トンで、前月の36倍、前年同月から33%増加した。価格は93円/kgで、前月の19%安、前年同月の84%高であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、岩手主体に宮城・千葉等からであった。1月上中旬の入荷量は前月の2.2倍、前年同月並みであった。価格は前月の29%安、前年同月の20%高であった。

今後、常磐沖のまき網、三陸沿岸の定置網・棒受網でまいわし主体の漁獲が続くと予想される。東京への入荷量はやや増加するものの、鮮魚で流通するサイズが少ないことから、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では、三陸~常磐沖、三重県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。三陸~常磐沖では、一時まとまった水揚げ(13日に1千800トン、18日に3千100トン)がみられたものの、1月の水揚量は6千トンで、前月から半減した。石巻に水揚げされたまさばの魚体は120g主体と小さかった。山陰沖ではまさば主体に漁獲され、境港では1日あたり200~1千400トンの安定した水揚げが続いた。九州対馬沖ではまさば主体に漁獲された。1月の松浦のまさばの水揚量は4千100トンで前月の4.6倍で、魚体はローソク(極小)主体であった。九州では好調な漁獲が続いており、6月までのTACの漁獲枠の上限に近いことから、1月下旬には対馬沖のさば漁を切り上げ、三陸~常磐沖のいわし・さば漁に切り替えた船が多かった。一方、三陸沖では底曳網、三陸沿岸では定置網でも漁獲がみられた。また、伊豆諸島水域ではタモすくい網漁が行われ、ごまさばを漁獲した。

1月上中旬の水揚量は2万4千トンで、前月から31%増加し、前年同月から44%増加した。価格は167円/kgで、前月の29%高、前年同月の5%安であった。

消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは青森・岩手・宮城・千葉・富山・静岡・長崎等から、ごまさばは千葉・静岡・長崎等からであった。1月上中旬の入荷量は前月から23%減少し、前年同月から33%減少した。価格は前月並み、前年同月の19%高であった。

今後、三陸~常磐沖のまき網の漁獲は低調な状態が続くとみられ、東京への入荷量は減少し、鮮魚で流通するサイズが少ないことから、卸売価格は強含みで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣り漁船の漁場は、日本海側では北海道西~道南~山形、佐渡、山陰および九州北部に、太平洋側では青森~岩手沖に形成されたものの、全般的に非常に低調であった。三陸各地では底曳網や定置網による漁獲がみられた。底曳網ではするめいかが多少まとまったものの、やりいか主体であった。また、富山湾でも定置網による漁獲がみられた。

1月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は197トンで前月から半減し、前年同月の2.1倍であった。価格は836円/kgで、前月の20%安、前年同月の42%高であった。

一方、中型いか釣り船(船凍)は、三陸沖のあかいか漁に出漁したものの低調であったことから、日本海の隠岐諸島北西や佐渡沖でするめいか漁を行った。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、富山主体に青森・山形・新潟・石川等、活物は千葉・新潟・静岡であった。1月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月の1.2倍、前年同月の2倍であった。価格は前月の19%安、前年同月の15%安であった。

今後も産地で低調な水揚げが続くとみられ、生鮮物の東京への入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まき網で日立沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等に漁場が形成されたものの、各地とも低調であった。前年に1千400トンの水揚げがあった境港ではまあじの水揚げがなく、さば類とぶり主体であった。東シナ海では、西沖でまあじ主体に水揚げされたものの、1月は松浦が860トン(前月比57%)、長崎が595トン(前月比47%)と低調に推移した。一方、三陸沿岸では引き続き定置網や底曳網による水揚げがみられた。

1月上中旬の水揚量は1千200トンで、前月から56%減少し、前年同月から55%減少した。価格は290円/kgで、前月の22%高、前年同月の67%高であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に高知・佐賀・宮崎・鹿児島等、中小あじは長崎等、小・豆あじは京都・三重主体に新潟・石川・富山等からであった。1月上中旬の入荷量は前月から51%減少し、前年同月から31%減少した。価格は前月の27%高、前年同月の38%高であった。

今後、産地の水揚量は低調な状態が続くと予想され、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。

(水産情報部)

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