全国主要漁港における1月の生鮮サバ類(マサバ、ゴマサバ含む)水揚量(速報値)は前年同月比16%減の2万9366トンだった。前年最も水揚げが多かった銚子(千葉)が73%減の3172トンにまで低下した。
同港への水揚げの中心になる北部巻網漁船が、狙う魚種をサバ類からマイワシに変えたことが要因。常磐から鹿島が暖流に覆われているため、南下の遅れや分布水深の深化などが起きた可能性があり、巻網で漁獲しにくい状況になっているのではないか。
一方、山陰の大型巻網が好調であり、1月に最も水揚量が多かった境港(鳥取)は4・1倍の8003トンとなった。また、対馬暖流側で漁獲する松浦(長崎)が5%増の5330トン、長崎が15%増の2414トンで続いたが、銚子の減少をカバーできなかった。
今後について、東シナ海の主漁場の対馬海域で、2月の遠洋巻網は盛漁期になるが、常磐から犬吠海域は暖水が継続する見込みであり、1月と同様の不漁が考えられる。
(みなと新聞取材)