トピックス

2023年01月24日
トピックス一覧
最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.1166 記事一覧

12月の概況と1月の見通し

まいわし

まいわしは、道東沖でタモすくい網、八戸沖・三陸沖等でまき網、三陸沿岸で定置網の操業がみられた。タモすくい網の操業は12月中旬まで続き、浜中・厚岸に水揚げされた。また、12月下旬から岩手・宮城県沖で棒受網による漁獲がみられた。

12月上中旬の主要港における水揚量(以下「12月上中旬の水揚量」という。)は620トンで、前月から24%減少し、前年同月から84%減少した。価格は115円/kgで、前月の18%高、前年同月の86%高であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、北海道主体に青森・岩手・千葉等からであった。12月上中旬の入荷量は前月から22%増加し、前年同月並みであった。価格は前月並み、前年同月の13%安であった。

三陸沖のまき網や棒受網による漁獲が上向き、徐々に大型サイズが増加している。今後、東京への入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含みで推移すると見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では、三陸~常磐沖、三重県~和歌山県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。三陸~常磐沖では、11月末に漁獲がまとまり始め、12月は1日あたり1千トンを超える水揚げが6日間みられたものの、例年と比べて極めて低調であった。まさばの魚体は100g台主体と型が小さかった。九州対馬沖ではまさば・まあじ主体にごまさばを、西沖ではごまさば主体にまさばを水揚げした。対馬沖のまさばの魚体はローソク(極小)サイズ主体であった。一方、三陸沖では底曳網、三陸沿岸では定置網でも漁獲がみられた。また、伊豆諸島水域ではタモすくい網漁が行われ、ごまさばを漁獲した。

12月上中旬の水揚量は1万8千トンで、前月から68%増加し、前年同月から40%減少した。価格は129円/kgで、前月の18%高、前年同月の12%安であった。

消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは北海道・岩手・宮城・富山・長崎等から、ごまさばは岩手・宮城・千葉・静岡等からであった。12月上中旬の入荷量は前月から17%増加し、前年同月から33%減少した。価格は前月の7%高、前年同月の39%高であった。

今後も三陸~常磐沖の漁獲が続くとみられ、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣り漁船の漁場は、日本海側では北海道西~道南~山形~佐渡および九州北部に、太平洋側では道東~青森~岩手沖に形成されたものの、時化による休漁も多く、全般的に非常に低調であった。また、三陸各地では底曳網や定置網による漁獲がみられた。底曳網ではするめいかがややまとまったものの、やりいか主体の漁が続いた。

12月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は390トンで前月から49%減少し、前年同月から87%増加した。価格は1,046円/kgで、前月の8%安、前年同月の37%高であった。

一方、中型いか釣り船(船凍)による日本海のするめいか漁は、大和堆西で操業したものの、時化が多かったことや漁獲が低調だったことから、今期の操業を切り上げた船もみられた。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、北海道・青森主体に岩手・山形・新潟等、活物は千葉・新潟であった。12月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から9%減少し、前年同月から24%増加した。価格は前月、前年同月並みであった。

漁期終盤で産地の水揚量が減少しており、生鮮物の東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。冷凍物は、生鮮物が少ない分やや増加するものの、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まき網で犬吠埼沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等に漁場が形成された。東シナ海では、対馬沖でまあじ・まさば主体に水揚げされ、12月の松浦の水揚量は1千500トンで前月の124%であった。魚体は、芝あじ(50g前後)主体であった。一方、三陸沿岸では引き続き定置網や底曳網による水揚げがみられた。

12月上中旬の水揚量は2千800トンで、前月から3%増加し、前年同月並みであった。価格は238円/kgで、前月の5%高、前年同月の26%高であった。

消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは富山・長崎主体に和歌山・鳥取・島根・佐賀・福岡等、中小あじは千葉・新潟・三重・長崎等、小・豆あじは三重主体に岩手・石川・新潟・京都等からであった。12月上中旬の入荷量は前月から10%増加し、前年同月から15%減少した。価格は前月の3%安、前年同月の21%高であった。

東シナ海で安定した水揚げが続いており、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

(水産情報部)

このページのトップへ
続きはこちらから