全国主要漁港の昨年12月における生鮮サバ類(マサバ、ゴマサバ含む)の水揚量(速報値)は前年同月比56%減の2万5269トンと低調だ。太平洋側は2021年12月と比べて小型魚が多く、大型魚の来遊が遅れた。
主要漁場は太平洋側が三陸南部、対馬暖流側が対馬周辺と九州西方沖合で、巻網での漁獲が中心。三陸の底引網は12月途中からサバ狙いから底魚狙いに変わった。
漁港別では特に銚子(千葉)が83%減の4514トンと激減。石巻(宮城)は28%増の8724トンと増加した。21年の漁場である常磐海域にほとんど漁場が形成されなかった。黒潮続流が北偏し、常磐―三陸南部が暖水に覆われたためサバの南下が遅れた。
その他、松浦(長崎)は46%減の1400トン、長崎は34%減の1384トンと減少した。21年12月が6トンだった境港(鳥取)は572トンと大きく増加した。今後については、北まきの漁獲量が長期予報通り22年並みに挽回することを期待する。
(みなと新聞取材)