トピックス

2022年12月27日
トピックス一覧
最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.1162 記事一覧

11月の近海カツオ竿釣り漁場と生鮮カツオの水揚状況について

1. 近海竿釣り船の漁場

11月の近海カツオ竿釣り船の漁場は三陸沿岸、房総沿岸、伊豆諸島周辺で(図1a赤楕円)、操業隻数は少なく、上旬でほぼ切り上げとなった。気仙沼港への水揚げは11月24日、房総勝浦港(以下、勝浦港)への水揚げは11月27日が最後となった。漁場位置はほぼ前年同期並みであったが、黒潮続流の北上により、本年11月は三陸南部にも漁場が形成された(図1a、b、図2)。魚体は三陸沿岸では「中~大」主体(図2)で、「小」も混じった。房総以南の魚体は「特大」主体であった。

2. 水揚量と価格

11月の全国の釣りによる生鮮カツオ水揚量は1,135トンで(図3)、前年同月比133.1%、不漁だった2020年同月比119.8%となり、近年では水揚量が最も多かった。鹿児島港への水揚量が1,015トンで最も多く、気仙沼港と勝浦港は少なかった。これら主要3港の生鮮カツオ(釣り・その他の漁法含む)の11月末時点の累計水揚量は、気仙沼港が8,388トン(前年比26%)、勝浦港が7,134トン(前年比81%)、鹿児島港が6,845トン(前年比125%)で(図4)、鹿児島港は例年を上回り好調だった。

釣りによる11月の生鮮カツオの全国平均価格は323円/kgで、前年・過去5年平均を下回った(図5a)。最も水揚量が多かった鹿児島港の価格がほぼ全国平均価格となった。

まき網によるカツオの水揚げは、11月はほとんどなく、佐賀県唐津港で断続的に少量が水揚げされたのみだった。価格は274円/kgで、前年・過去5年平均を下回った。

3. 今後の見通し

今後は、近海竿釣り船は来年2月ごろの出漁に備えて休漁する。九州周辺では沿岸の小型船の操業が続くとみられ、鹿児島港では年内は水揚げが続くとみられる。

(水産情報部)

このページのトップへ
続きはこちらから