〇花咲港:11月の水揚量(たもすくい)は前月・前年を上回った。なお、前年は11月で終漁したが、本年は12月上旬にも水揚げされた。価格は10月までは前年から約2倍で推移したが、11月は前月・前年を下回った。好漁だったためと思われる。
〇境港:マイワシとウルメイワシは11月には水揚げされなかった。
〇八戸港:11月の水揚量は前月を上回ったが、不漁だった前年を下回った(表2)。近年は八戸沖の漁場形成は低調である。価格は前月・前年を上回った。
〇石巻港:11月の水揚量は前月並で不漁だった前年を下回った(表3)。南下期として本年の実質的な初漁は11月28日に見られた。価格は前月を上回り、前年を下回った。11月の体長(尾叉長)組成は、体長23cmと33cm、体重160gと560gにモードがあった(図1、2)。1~2歳魚主体に3歳以上が混じった。
〇松浦港:11月のさば類の漁獲量は前月・前年を下回った(表4)。九州西沖海域主体に操業され、対馬海域でも操業された。九州西沖海域の11月のマサバ漁獲量は前年および過去5年を上回った。11月の価格は前月・前年を下回った(表4)。九州西沖海域で漁獲されたマサバは体長(尾叉長)26~27cm、対馬海域では体長26cmと31cmにモード、九州西沖海域では体重220~240g、対馬では160gと400gにモードがあった(図3、4)。九州西沖海域では0歳と1歳魚主体、対馬海域では1歳魚と2歳魚以上が主体に0歳魚も混じった。
〇境港:さば類の水揚量は前月・前年を上回った(表5)。価格は前月・前年を上回った。
〇松浦港:11月の水揚量は前月並で、前年を上った(表6)。漁場は九州西沖海域と対馬海域に形成された。九州西沖海域の11月の漁獲量は前年並みで過去5年平均を下回った。対馬海域の11月の漁獲量は前年と過去5年平均を上回った。11月の価格は前月・前年を下回った(表6)。九州西沖海域で漁獲されたマアジは体長(尾叉長)21~24cmにモード、体重140gと280gにモードがあり(図5、6)、1歳魚主体に2歳魚以上も混じった。対馬海域では体長と体重の範囲が広く、体長21cm、29cm、34cmにモード、体重120g、360g、500gにモードがあった。2歳魚以上が主体に1歳魚も混じった。
〇境港:マアジ゙の水揚量は前月を下回り、前年を上回った(表7)。価格は前月・前年を上回った。
全国主要港における11月のさば類の水揚量は低調で、前月並みで前年を下回った。11月の境港のマサバの水揚量は前年を上回ったが、八戸港・石巻港・松浦港は前年を下回った。八戸沖にはほとんど漁場が形成されず、11月28日にようやく三陸中部で漁獲がまとまった(1,200トン)が、その後時化となった。12月上旬の水揚量は6日現在で約7,700トンと、三陸南部で南下期の漁獲が本格化した。今後の降温とともに漁獲の増加が期待される。
11月の日本海側のまき網では、マサバ・マアジ主体に水揚され、これら2魚種の水揚量は前年を上回った。11月の東シナ海のまき網では、マサバ・ゴマサバ主体にマアジも水揚げされた。漁場はマサバ・ゴマサバが九州西沖海域主体に対馬海域、マアジが対馬海域と九州西方海域であった。東シナ海におけるさば類の近年5年平均漁獲量は12月が11月を上回っていることから、今後の漁獲に期待したい。
(水産情報部)