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2022年12月20日
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vol.1158 記事一覧

11月の概況と12月の見通し

まいわし

まいわしは、道東沖でタモすくい網、八戸沖等でまき網、三陸沿岸で定置網の操業がみられた。道東沖では、まき網漁の終漁後もタモすくい網漁が行われ、花咲、浜中、厚岸に水揚げされた。魚体は50~80gの小中羽~中羽主体であった。

11月上中旬の主要港における水揚量(以下「11月上中旬の水揚量」という。)は820トンで、前月から98%減少し、前年同月から84%減少した。価格は98円/kgで、前月の85%高、前年同月の89%高であった。

消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、北海道主体に千葉・愛知・三重等からであった。11月上中旬の入荷量は前月から31%減少し、前年同月から16%減少した。価格は前月の28%高、前年の19%高であった。

産地の水揚げは低調に推移し、引き続き大型サイズは少ないとみられる。今後、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

さば類

さば類は、まき網では、八戸沖、三陸~常磐沖、静岡県~和歌山県沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。例年、三陸~常磐沖では水温の低下により南下群のまとまった漁獲がみられるものの、11月28日に1千500トン程の水揚げがみられたのみであった。九州西沖ではまさば主体にごまさばも水揚げした。魚体は200g台のローソクサイズが主体であった。一方、三陸沖では底曳網による漁獲がみられ、石巻で1日あたり200トン前後の水揚げが続いた。三陸沿岸では、引き続き定置網での漁獲がみられた。また、伊豆諸島水域ではタモすくい網漁が行われ、ごまさばを漁獲した。

11月上中旬の水揚量は1万1千トンで、前月から42%増加し、前年同月から45%減少した。価格は108円/kgで、前月の3%安、前年同月の10%安であった。

消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは北海道・青森・岩手・宮城・千葉・富山・長崎等から、ごまさばは岩手・宮城・静岡・三重からであった。11月上中旬の入荷量は前月から8%減少し、前年同月から27%減少した。価格は前月の29%高、前年同月の6%高であった。

今後、三陸~常磐沖の水揚量が増加すると予想され、東京への入荷量は増加し、卸売価格は弱含みで推移すると見込まれます。

するめいか

小型いか釣り漁船の漁場は、日本海側では北海道北~道南~山形~北陸に、太平洋側では道東~青森~岩手沖に形成されたものの、全般的に非常に低調であった。稚内では小型いか釣りの操業が例年より大幅に遅れて11月中旬から始まったものの、1日あたり数トンの水揚げが10日程続いたのみであった。羅臼では、釣りと定置網で下旬にややまとまった漁獲が見られた。また、三陸各地では沖合底曳網によりややまとまった水揚げが続く一方、定置網による漁獲は低調であった。11月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は800トンで前月から50%減少し、前年同月から47%減少した。価格は1,125円/kgで、前月の9%高、前年同月の73%高であった。

一方、中型いか釣り船(船凍)による日本海のするめいか漁は、大和堆西及び隠岐諸島北に漁場が形成され、1日1隻あたりの漁獲量は30箱(0.2トン)で日間差・船間差があった。

消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、北海道・青森主体に岩手・山形・石川等であった。11月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から9%減少し、前年同月から17%減少した。価格は前月並み、前年同月の6%安であった。

低調なまま漁期終盤を迎え、生鮮物の東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

まき網では常磐沖~房総沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等に漁場が形成された。東シナ海では安定した漁獲が続き、11月の水揚量は長崎で1,600トン(前月比153%)、松浦で1,200トン(前月比107%)であった。対馬沖の魚体は、100g台の小~中小サイズ主体に500gを超える大サイズもみられた。一方、三陸沿岸では引き続き定置網や底曳網による水揚げがみられた。

11月上中旬の水揚量は2千700トンで、前月から4%減少し、前年同月の2倍であった。価格は225円/kgで、前月の12%安、前年同月の12%安であった。

まあじの入荷先は、中あじは長崎主体に石川・鳥取・島根・山口・佐賀等、中小あじは新潟・三重・長崎等、小・豆あじは三重主体に岩手・新潟・石川等からであった。11月上中旬の入荷量は前月から7%増加し、前年同月並みであった。価格は前月並み、前年同月の12%安であった。

産地で安定した水揚げが続いており、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

かつお

かつお近海竿釣り船の漁場は、三陸沿岸や房総沿岸、伊豆諸島周辺海域等に形成された。11月に入り、三陸沖の操業を切り上げる船が増え、11月下旬には今期の水揚げが終漁した。

11月上中旬の生鮮かつおの水揚量は、900トンで前月並み、前年同月から18%増加した。価格は367円/kgで、前月の32%安、前年同月の19%安であった。

消費地(東京)におけるかつおの入荷は、鹿児島主体に宮城・千葉・高知・長崎・宮崎等からであった。11月上中旬の入荷量は前月から34%減少し、前年同月から34%減少した。価格は前月の9%安、前年同月の42%高であった。

三陸沖のかつお一本釣り漁が終漁したことから、東京への入荷量は減少し、卸売価格は強含みで推移すると見込まれます。

さんま

さんま棒受網の主漁場は花咲沖180~390海里付近の公海に形成され、11月に入り、道東沿岸とオホーツク海の羅臼沖、中旬~下旬には三陸沖にも形成された。上旬は道東・三陸各港合計で1日あたり400~1,200トンの水揚げが続いたものの、中旬~下旬は数十~600トンにとどまった。8~11月の累計水揚量は1万7,869トンで、記録的不漁であった前年同期をやや下回り、過去最低となった。魚体は60~110g主体であった。

11月上中旬の水揚量は5千700トンで前月から36%増加し、前年同月から16%減少した。価格は489円/kgで、前月の27%安、前年同月の21%安であった。

消費地(東京)におけるさんまの入荷は、北海道・岩手・宮城からであった。11月上中旬の入荷量は前月から39%減少し、前年同月から23%減少した。価格は前月の3%安、前年同月の16%高であった。

低調なまま漁期終盤を迎え、例年通り12月中旬頃には今期の操業が終漁すると見込まれる。今後、東京への入荷量は減少し、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。

(水産情報部)

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