10月の全国主要港での生鮮サンマの水揚量(速報値)は前年同月比66%増の6353トン。資源が最低水準で記録的不漁となった昨年より微回復したとみられ、かつ比較的日本から近い海域に漁場ができ、漁船の往復時間短縮、操業回数増に寄与した。
主な陸揚げ地は北海道・花咲、岩手・大船渡、宮城・女川と気仙沼。10月時点の主漁場は公海だったが、昨年のように日本からはるかに遠い海域だけでなく、北方領土近海でも獲れた。11月に入り、去年漁場のできなかったオホーツク海羅臼沖でも漁獲がある。
公海で水揚げされる魚体は90~110グラムで、徐々に小さなものの混じりが増えている。羅臼沖の魚体は50~110グラム中心で、公海物よりさらに小さいが、ごく一部150~160グラムの個体がいる。
羅臼沖の漁場は過去の状況から見て長続きせず、今後の主漁場は公海となりそうだ。しけの多い時期柄、どの程度操業できるかが焦点となる。また11月に道東沿岸でわずかながら漁場が形成されたことから、今後三陸沿岸で散発的に漁場ができる可能性がある。
(みなと新聞取材)