9月の全国主要港での生鮮マイワシの水揚量(速報値)は前年同月比17%減の6万1015トンだった。8月は北方四島付近から水温低下で道東付近にまで南下したためか同2・3倍の2万6763トンを記録したが、9月は北方から冷水を運ぶ親潮の勢いが弱く、水温が高かったため来遊が減ったとみられる。
9月の水揚量のうち93%は、道内の釧路と広尾で占めた。両港とも主軸は巻網。棒受網・たもすくいのデータを参照すると、9月下旬時点の魚体は60~80グラムのものが目立った。全国平均のキロ単価は前年同月比27%高い47円。背景には世界的な魚粉の需要増が考えられる。
10月以降の漁況については、太平洋側では、南下群が入ってくる道東が水揚げの主体として推移する。ただし、今年は水温が高く、魚群の南下は遅れそう。日本海側では9月に534トンを揚げた鳥取・境港が引き続き主体になる可能性が高いが、日本海のマイワシの回遊は把握と予測が難しい。
(みなと新聞取材)