8月の全国主要港での生鮮釣カツオの水揚量(速報値)は2340トンと前年同期比60%少なかった。魚群が薄く漁場が南方・沖側に寄ったことから、主産地の宮城・気仙沼で伸び悩んだ。ただし魚体は大きかった。
近年基準で豊漁とされた前年と比べて、今年は日本近海への来遊量が減っているようだが、中型サイズ主体だった昨年より魚体が大きい。大型魚は比較的暖かい水を好むとされ、8月の漁場形成も南に寄っていた。
気仙沼は67%減の1340トンで魚体は4~6キロの特大サイズ中心。キロ単価は同3倍の531円となった。魚群の薄さに加え、気仙沼から漁場が遠く、操業回数が減っていたことも背景にある。
漁場が南に寄ったことで千葉・房州勝浦に入港する漁船は増加。房州勝浦の同水揚量は2・1倍の433トン、同単価が2・3倍の618円、魚体は6・4キロ超の特々大中心となった。
9月以降については大型主体の水揚げが続きそうで、巻網・釣とも量は少なめと予想される。漁場が徐々に北上しているので、気仙沼主体に水揚げされる見通しである。
(みなと新聞取材)