6月23日までの全国主要港での生鮮サバ(マサバとゴマサバ)の水揚量(速報値)は前年同期の3・3倍となる1万5202トン。うち約半数は定置網や底引網を主力とする宮城・石巻で、冬から春にかけて巻網で獲り切れなかった群れが揚がったとみられる。
同時期の石巻の水揚げは6984トンと前年同期の4・7倍。全国主要港全体の46%を占める。うち定置網は35センチ、500グラムほどの大きな個体が主体で、底引網でも同サイズが獲れているとみられる。
石巻の漁獲が伸びた理由については、1~4月ごろ北部巻網による水揚げがほとんどなく、中部海域でも水揚げが伸びなかった。その分を5~6月の東北定置網、底引網で水揚げしている。
ただし、6月中旬ごろから石巻定置網の水揚げの主体はマイワシになっている。ここ数年は北上期の魚群を北部巻網が獲ることがなく、道東巻網でも水揚げされないことから、石巻付近での漁獲は続きそうもない。
なお同期間、石巻と同じ三陸の岩手・大船渡で漁獲が伸長。日本海側では鳥取・境港も1000トン超が揚がった。
(みなと新聞取材)