トピックス

トピックス一覧
最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.1070

2月の漁況・市況と3月の見通し

まいわし

 まいわしは、まき網では日立〜犬吠埼沖や太平洋中部水域、山陰沖、対馬沖等で漁獲された。三陸〜常磐一帯では1日あたり7千〜9千トンのまとまった漁獲が4日間見られ、銚子主体に水揚げされた。魚体は30〜80gの小中羽〜中羽主体であった。三陸沿岸では引き続き定置網でも若干漁獲された。また、北陸では富山湾や能登半島沿岸の定置網で1日あたり100トンを超す好漁が続き、大中羽主体に水揚げされた。
 2月上中旬の主要港における水揚量(以下「2月上中旬の水揚量」という。)は3万3千トンで、前月の1.9倍、前年同月の1.6倍であった。価格は43円/kgで、前月の16%安、前年同月の6%安であった。
 消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、千葉・石川主体に宮城・富山・静岡等からであった。2月上中旬の入荷量は前月の1.3倍、前年同月並みであった。価格は前月の6%高、前年同月の11%安であった。
 太平洋・日本海ともに3〜4月にかけて産卵の盛期を迎える。今後、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

さば類

 さば類は、まき網では常磐沖、静岡沖、三重沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。常磐沖では、まさばの産卵親魚が伊豆諸島周辺海域へ産卵のために南下し、まいわし主体の水揚げでさば類は低調であった。魚体は100〜300g主体と小さく、300g超の加工向け原料は少なかった。東シナ海のまき網では対馬沖主体に操業し、まさば主体にごまさばやまあじも混じった。また、三陸沖では引き続き定置網や底曳網で漁獲された。伊豆諸島水域ではタモすくい網漁が行われ、まさば主体にごまさばも漁獲した。
 2月上中旬の水揚量は1万1千トンで、前月から30%減少し、前年同月から68%減と大幅に減少した。価格は114円/kgで、前月の36%安、前年同月の4%高であった。
 消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは千葉・静岡・富山・長崎等から、ごまさばは千葉・高知等からであった。2月上中旬の入荷量は前月から5%増加し、前年同月から34%減少した。価格は前月の4%安、前年同月の20%高であった。
 今期は不漁のまま盛漁期を過ぎ、今後も水揚げは低調な状態が続くとみられる。東京への入荷量は低調・横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

するめいか

 小型いか釣り漁船によるするめいか漁は、主に日本海側の佐渡、山陰〜九州北部等に形成された。全般的に低調であったものの、2月下旬に山口〜対馬沖で短期的にまとまった水揚げが見られた。三陸・常磐の底曳網では、するめいかに替わりやりいか類(やりいか・ひいか)主体に水揚げした。また、富山湾の定置網(氷見等)では、2月に入り1日あたり4〜10トンの入網が続いたものの、2月中旬以降は時化休漁が多く低調であった。
 一方、中型いか釣船(船凍)による日本海のするめいか漁は、山陰沖〜対馬北東沖で操業した。三陸近海のあかいか冬季漁は低調なまま2月下旬に終漁した。
 2月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は、181トンで前月の2.3倍、前年同月から29%減少した。価格は545円/kgで、前月の9%安、前年同月の7%安であった。
 消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、石川・富山・山口・富山等、活物は静岡・千葉等であった。2月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月の3.2倍、前年同月から51%減少した。価格は前月の33%安、前年同月の16%高であった。
 3〜4月は漁の端境期となることから、入荷量は引き続き低調、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、国内物が不漁であるものの、いか類の輸入が安定していることから、入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

 まあじは、まき網では山陰沖、対馬沖・九州西沖(五島沖)等に漁場が形成された。各地とも引き続きさばやぶりの漁獲が多く、まあじの漁況は全般的に低調であったものの、対馬沖ではさば類混じりながら、まあじのまとまった漁獲が見られた。
 2月上中旬の水揚量は2千トンで、前月から16%減少し、前年同月から45%増加した。価格は195円/kgで、前月の13%高、前年同月の32%安であった。
 消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に福岡・佐賀等、中小あじは青森・島根、小・豆あじは石川主体に新潟・富山・京都等からであった。2月上中旬の入荷量は前月から20%増加し、前年同月から4%減少した。価格は前月の9%安、前年同月の31%安であった。
 今後、産地の水揚量は徐々に増加すると予想され、東京への入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含みで推移すると見込まれます。

   (水産情報部)
このページのトップへ