トピックス

トピックス一覧
最近の水産の話題はこれ! 随時更新
vol.1067

2月のマイワシ・さば類・マアジの漁況について

1. 太平洋側のマイワシについて

 2月の北部まき網による水揚物の主体はマイワシで、さば類やぶり類(イナダ)なども水揚げされた。マイワシは、月を通じて塩屋崎〜犬吠埼沖主体の操業であった。マイワシの1網当たりの平均漁獲量は209トンでさば類に比べて多く、なかには1網で400〜500トン以上獲る船もあった。

〇銚子港:2月の水揚量は1月を上回り、前年を上回った(表1)ほか、さば類の水揚量も大きく上回った。銚子港水揚げのマイワシは体長17cm、体重35〜40g主体で(図1、2)あり、主に2歳魚で占められると考えられる。

2. 太平洋側のさば類について

〇銚子港:2月の水揚量は1月を下回り、前年を下回った(表2)。2月の漁場は塩屋崎沖〜犬吠埼沖に形成された。1艘まき網の1網当たり漁獲量は19トン前後で、最高80トンであった。1日当たり水揚量は300〜700トン前後であった。銚子港に水揚げされたマサバの体長(尾叉長)は30cm主体、体重は240g主体であった(図3、4)。
〇静岡県以西の状況:小川港に水揚げされた棒受網によるマサバはサイズが小さく、産卵群の水揚げは少なかった。このことから、ここ数年の傾向と同様に伊豆諸島海域よりもさらに西側に産卵場が形成されていると考えられる。沼津港の2月の水揚量は695トンで、1月と比較して大幅に増加しており、産卵群の来遊が水揚量の増加につながったものと考えられる。奈屋浦港では、2月の水揚量は98.9トンで小銘柄が多く、大中銘柄は混じる程度であった。しかし3月以降は大中銘柄主体で水揚げが続いており、産卵群が奈屋浦まで南下を進めていると考えられる。

3. 日本海および東シナ海側のマサバについて

〇松浦港:2月は対馬海域主体に操業が行われたが、水揚量は1月及び前年を下回った(表3)。2月以降はマサバ主体の水揚げとなった。対馬海域の1隻当たりマサバ水揚量は31.5トンで、020年を上回り、2021年を下回った。遠洋旋網漁船による長崎港水揚物は体長28cm主体で、30cm以上のサイズも混じり、体重260g主体であった。2歳魚主体の日が多かったが、日によっては1歳魚が主体となった。

4. 日本海および東シナ海側のマアジについて

〇境港:2月の水揚量は1月を下回り、前年を上回った(表4)。1月はマアジの水揚量が増えたが、2月はマアジ、マサバともに水揚げが少なかった。3月以降はマイワシの水揚げが増加している。体長15cm、体重100g主体であった(図5、6)。
〇長崎港:2月の水揚量は1月を下回り、前年を上回った(表5)。漁場は主に対馬海域であった。遠洋旋網漁船による長崎港水揚物は体長34cm、体重500gモードの3歳魚主体であった。境港水揚物より大型サイズが主体であり、鮮魚向けに出荷できるサイズではあるが、量が多いため価格は前年より安かった。

5. まとめと3月の動向

 太平洋側のまき網によるマイワシ漁場は、2月を通じて塩屋崎〜犬吠埼沖に形成された。水揚物は体長17cm、体重35〜40gが主体であった。水揚げはさば類を上回り、1網当たり400〜500トン以上漁獲する船もあった。2月は2歳魚主体の水揚げが続いているが、3月に入り1歳魚が来遊すると、サイズは小さくなるものの水揚げは増加すると考えられる。
 太平洋側のまき網によるさば類の漁場は、塩屋崎〜犬吠埼沖に形成された。水揚物は体重240g前後が主体であった。1網当たり平均漁獲量は19トンで1月を下回った。北部まき網全体では、1日当たり300〜700トンを水揚げした。1月と比較して魚体が小型化しており、大型魚はすでに産卵場へ南下をはじめていると考えられる。産卵場である伊豆諸島周辺の棒受網ではマサバの水揚げが増加した。沼津港や奈屋浦港で水揚げが増加しており、大中銘柄も混じっている。3月以降は大中銘柄主体で水揚げが続いている。産卵群が奈屋浦まで南下を進めていると考えられる。
 日本海及び東シナ海のまき網では、マサバについては、対馬海域を中心に2歳魚主体の漁獲があった。2月以降も対馬海域でまとまった水揚げが続いている。マアジは、日本海では2月はマサバともに水揚げが少なく、1月を下回った。東シナ海では対馬海域主体の操業であった。マサバを下回る水揚量ではあったが、1隻当たり水揚量は過去5年平均を上回っており、好調な水揚げが続いた。水揚物は鮮魚として出荷される体長34cm(3歳魚)主体であった。3月以降はマサバを上回る水準で水揚げが続いている。

   (水産情報部)
  • ◇トピックス 全文◇
  • このページのトップへ