まいわしは、まき網では日立〜犬吠埼沖や山陰沖等で漁獲された。日立〜犬吠埼沖では、さば類の水揚げが低調だったことから、1月中旬頃から大半がまいわしに切り替え操業し、40〜60gの小中羽主体に水揚げした。三陸沿岸では引き続き定置網や敷網(棒受網)でも漁獲された。
1月上中旬の主要港における水揚量(以下「1月上中旬の水揚量」という。)は1万7千トンで、前月の4.4倍、前年同月の2.3倍であった。価格は51円/kgで、前月の18%安、前年同月の9%高であった。
消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、岩手・千葉主体に宮城・静岡等からであった。1月上中旬の入荷量は前月の2.1倍、前年同月から18%増加した。価格は前月の48%安、前年同月の27%安であった。
今後、三陸〜常磐沖の群れは産卵期に入り、大型魚は伊豆諸島〜四国沖まで南下するものの、三陸沿岸の定置網や日立〜犬吠埼沖のまき網(小型魚主体)の漁獲が続くと予想される。東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
さば類は、まき網では日立〜犬吠埼沖、三重〜和歌山沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。日立〜犬吠埼沖は、まいわし混じりの漁獲で、さば類は1日あたり2千〜3千トンが4日間と、前月(1日あたり1万トンが2日間、3〜4千トンが4日間)から大きく減少した。魚体は240〜420g主体であった。一方で、東シナ海のまき網では対馬沖の漁獲が好調で、長崎の水揚量が前年同月比2.3倍の2千トンであった。また、三陸沖では引き続き定置網や沖合底曳網で漁獲された。
1月上中旬の水揚量は1万6千トンで、前月から46%減少し、前年同月から38%減少した。価格は178円/kgで、前月の21%高、前年同月の40%高であった。
消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは岩手・宮城・千葉・静岡等から、ごまさばは千葉・静岡等からであった。1月上中旬の入荷量は前月から23%減少し、前年同月から5%減少した。価格は前月の16%高、前年同月の24%高であった。
三陸〜常磐沖は盛漁期を過ぎ、今後水揚げは低調な状態が続くとみられ、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
小型いか釣り漁船によるするめいか漁は、主に日本海側の山陰〜九州北部に形成された。太平洋側の三陸沿岸は、12月以降、するめいか主体からやりいか主体の漁に切り替わった。三陸の沖合底曳網も釣り同様にやりいか主体の水揚げであった。また、1月下旬には富山湾の氷見等の定置網で1日あたり5〜10トンの入網が続いた。
一方、中型いか釣船(船凍)による日本海のするめいか漁は、山陰沖〜対馬北西沖で操業した。1月下旬以降は三陸沖のあかいか漁に切り替える船も見られた。
1月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は、78トンで前月から57%減少し、前年同月から63%減少した。価格は600円/kgで、前月の24%安、前年同月の3%安であった。
消費地(東京)におけるするめいかの入荷先は、長崎主体に石川・新潟・富山等、活物は三重主体に千葉・新潟等であった。1月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から35%減少し、前年同月から74%減少した。価格は前月の13%高、前年同月の53%高であった。
3〜4月の端境期を前に、今後も各地とも低調な水揚げが続くと予想され、生鮮物の東京への入荷量は引き続き低調、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、国内物が不漁であるものの、いか類の輸入が安定していることから、入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
まあじは、まき網では山陰沖、対馬沖・九州西沖(五島沖)等に漁場が形成された。各地ともさばやぶりの漁獲が多く、まあじの漁況は低調な状態が続いたものの、境港ではまあじの水揚げが前月から増加した。
1月上中旬の水揚量は2千400トンで、前月並み、前年同月から72%増加した。価格は172円/kgで、前月の10%安、前年同月の29%安であった。
消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に高知・佐賀等、中小あじは長崎・島根等、小・豆あじは石川主体に新潟・京都・三重等からであった。1月上中旬の入荷量は前月から39%減少し、前年同月から11%増加した。価格は前月の12%高、前年同月の16%安であった。
今後もまあじの水揚げは低調な状態が続くと予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格も横ばいで推移すると見込まれます。