1月の全国主要港の生鮮スルメイカ水揚量(速報値)は前年同月より49%少ない182トンだった。2月(1〜9日)は、鳥取・境港で巻網物が獲れたことなどにより62%増の91トンだが、不調だった前年との比較であり、好漁とはいえない。
前年の全国水揚量は戦後最低値。国の研究機関や漁業者らから資源の激減が指摘される。
2月上旬で見ると、前年より漁獲は多い。日本海の小型イカ釣で揚がった他、境港では9日に巻網物などが18トン。ただ、境港の水揚げは、産卵に向かう魚群を偶然見つけられたものとみられる。漁獲が長く続く可能性は低い。
2月は産卵を控えた250〜300グラム超の大型個体が富山湾に来遊し、氷見の定置網で1日10トン程度が獲れるなどしている。ただし、産卵後の個体は死ぬため漁獲は続いても3月までだろう。
昨冬生まれの個体が死に、秋生まれの個体が漁獲サイズに成長していない3〜4月は、例年端境期。加えて近年は産卵親魚も少なく、環境条件が良いとの情報もないため5月以降も期待しづらい状況だ。