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vol.1049

12月の漁況・市況と1月の見通し

まいわし

 まいわしは、道東ではたもすくい網で、三陸沿岸では定置網や敷網(棒受網)で漁獲されたほか、八戸沖ではまき網で少量漁獲された。三陸の定置網では15〜30gの小羽主体に水揚げされ、12月末には大・中羽サイズも見られ始めた。
 12月上中旬の主要港における水揚量(以下「12月上中旬の水揚量」という。)は3千900トンで、前月から22%減少したものの、前年同月の2.2倍であった。価格は62円/kgで、前月の20%高、前年同月の11%安であった。
 消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、北海道・岩手主体に青森・宮城等からであった。12月上中旬の入荷量は前月から5%増加し、前年同月から43%増加した。価格は前月の39%高、前年同月の10%高であった。
 今後、三陸〜常磐への南下が本格化することから産地の水揚量は増加すると予想され、東京への入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含みで推移すると見込まれます。

さば類

 さば類は、まき網では三陸〜常磐沖、三重〜和歌山沖、山陰沖、九州対馬沖・西沖(五島沖)等で漁獲された。三陸〜常磐一帯では、12月中旬に1日あたり1万トンの漁獲(まさば主体)が2日続き、石巻・銚子等に水揚げされた。魚体は300〜800gで、500g以上の大型魚が2割程度を占め、大型魚は粗脂肪量が15〜20%と脂が乗ってきた。三陸沖では、定置網や沖合底曳網による漁獲も続き、底曳網はまさば主体に100〜800gの大中小型混じりであった。また、東シナ海のまき網では、まさば・ごまさばのローソク(極小)主体に水揚げされた。
 12月上中旬の水揚量は2万9千トンで、前月から38%増加し、前年同月から4%減少した。価格は147円/kgで、前月の22%高、前年同月の4%高であった。
 消費地(東京)におけるさばの入荷先は、まさばは北海道・岩手・宮城・千葉等から、ごまさばは北海道・岩手・千葉等からであった。12月上中旬の入荷量は前月から25%増加し、前年同月から16%増加した。価格は前月の18%安、前年同月の5%高であった。
 今後も三陸〜常磐沖の漁獲が続くとみられ、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

するめいか

 小型いか釣り漁船によるするめいか漁は、日本海側では北海道南、新潟〜金沢〜山陰〜九州北部に、太平洋側では青森〜岩手沖に漁場が形成されたものの、時化による休漁が多く各地とも低調であった。また、三陸沖では引き続き定置網や底曳網による漁獲がみられたものの、低調であった。
 一方、中型いか釣船(船凍)による日本海のするめいか漁は、隠岐諸島北沖で操業したものの、時化による休漁が多いことや、群れが薄く低調な漁模様であることから、12月中旬には今期の漁を切り上げる船が目立った。
 12月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は、181トンで前月から88%減少し、前年同月から86%減少した。価格は790円/kgで、前月の22%高、前年同月の12%高であった。
 消費地(東京)におけるするめいかの釣り物の入荷先は、青森主体に北海道・宮城・長崎等、活物は静岡主体に千葉・三重等であった。12月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から33%減少し、前年同月から60%減少した。価格は前月の6%安、前年同月の36%高であった。
 低調なまま漁期終盤を迎え、今後、生鮮物の東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。冷凍物は、国内物が不漁であるものの、中国産やロシア産の輸入物が多いことから、入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。

まあじ

 まあじは、まき網では犬吠埼沖、山陰沖、対馬沖・九州西沖(五島沖)等に漁場が形成された。対馬沖ではまあじ主体に漁獲したものの、山陰や九州西沖ではさばやぶり主体の漁獲が続き、12月のまあじの水揚げは各地とも低調であった。また、三陸や北陸では定置網等で漁獲された。
 12月上中旬の水揚量は2千400トンで、前月から71%増加し、前年同月から6%減少した。価格は191円/kgで、前月の25%安、前年同月並みであった。
 消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中あじは長崎主体に富山・高知・佐賀等、中小あじは新潟等、小・豆あじは新潟主体に岩手・石川・京都等からであった。12月上中旬の入荷量は前月、前年同月から30%増加した。価格は前月の30%安、前年同月の6%安であった。
 今後もまき網ではさばやぶりの漁獲が多く、まあじの水揚げは低調な状態が続くと予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格も横ばいで推移すると見込まれます。

   (水産情報部)
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