11月の全国主要港の生鮮スルメイカ水揚量(速報値)は前年同月比51%減の1897トンとなった。親魚の産卵時期が年々遅くなり、稚イカの生き残りも悪い。再生産がうまくできていない可能性がある。全国主要港の平均浜値は3%高のキロ675円だった。
主要漁港のうち、水揚量が最多の北海道羅臼は定置網主体に700トン(前年は42トン)を水揚げした。根室海峡の前浜を主漁場に、1尾240〜360グラムを中心に漁獲した。長崎は210トン(同27トン)で、東シナ海や五島沖を主漁場に、産卵のため南下した1尾450グラム級の親魚を漁獲した。
一方、前年同月の主要港だった青森県八戸は7割減の193トン。宮城県石巻は63%減の363トン、岩手県宮古は91%減の50トンといずれも振るわなかった。
例年は三陸沖の釣物や底引網物の漁獲が来年1月前半まで続く。今後は山陰―九州北部が主漁場になるはずだが、群れが薄く低調。ここ数年は釣物はほとんど獲れない。今期は資源がなく、水揚げは期待できない可能性が高い。