まいわしは、まき網では道東沖や犬吠埼沖、山陰沖、九州北部等で漁獲された。道東沖では、1日あたり1千〜5千トンのまとまった漁獲が続き、釧路・広尾を中心に水揚げされた。また、道東沖ではさけます流し網漁業代替のまいわし棒受網漁が行われ、50〜60gの小中羽主体に水揚げされた。定置網では、引き続き三陸沿岸等で漁獲が見られた。
9月上中旬の主要港における水揚量(以下「9月上中旬の水揚量」という。)は2万5千トンで、前月の7.1倍、前年同月から半減した。価格は33円/kgで、前月の23%安、前年同月並みであった。
消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、北海道主体に千葉・大阪等からであった。9月上中旬の入荷量は前月から25%減少し、前年同月から15%減少した。価格は前月の16%高、前年同月の9%安であった。
まき網では引き続き鮮魚サイズの漁獲が少ないことから、今後、東京への入荷量は少なく・横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
さば類は、まき網では八戸・三沢沖、犬吠埼沖、三重〜和歌山沖、山陰沖、九州西沖(五島沖)等で漁獲された。八戸・三沢沖では、8月下旬〜9月初めにするめいか混じりの操業が行われたものの、まとまった水揚げは続かなかった。伊豆諸島水域のタモすくい網漁はごまさばのみを漁獲したが、水揚げはごくわずかであった。三陸沖では、9月に入り沖合底曳網の操業が再開し、さば類主体に水揚げした。50〜600gのまさば主体で、群れによりごまさばの割合が高かった。また、定置網による漁獲も見られ、200〜500gのまさば主体にごまさば混じりであった。
9月上中旬の水揚量は5千500トンで、前月から25%増加し、前年同月から34%増加した。価格は103円/kgで、前月並み、前年同月の16%安であった。
消費地(東京)におけるさば類の入荷先は、まさばは青森・宮城・石川・三重等から、ごまさばは宮城・静岡・三重等からであった。9月上中旬の入荷量は前月から32%増加し、前年同月から29%減少した。価格は前月の6%高、前年同月の39%高であった。
今後も、まき網での漁獲は低調な状態が続くと予想され、東京への入荷量は横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
小型いか釣り漁船によるするめいか漁は、日本海側では北海道北〜山形〜新潟〜金沢〜山陰〜九州北部に、太平洋側では道東〜青森〜岩手沖に漁場が形成された。花咲沖や青森の太平洋側の昼いか釣り漁を除き、全般的に低調であった。9月に入ると三陸各地で沖合底曳網が再開され、八戸沖では1日あたり46〜131トンの好漁が続いた。また、八戸沖のまき網では、8月下旬〜9月初めに86トンの漁獲があったのみで、今期はほぼ終漁した。三陸や羅臼では定置網による水揚げもあったものの、まとまった漁獲は見られなかった。中型いか釣り船(船凍)による日本海のするめいか漁は、引き続き大和堆で操業し、安定した漁獲が続いた。
9月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は、1千800トンで前月の3.5倍、前年同月から38%減少した。価格は660円/kgで、前月の6%安、前年同月の32%高であった。
消費地(東京)におけるするめいかの入荷は、北海道・青森主体に石川・鳥取等から釣り物、和歌山から活物の入荷がみられた。9月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から10%減少し、前年同月から47%減少した。価格は前月の13%高、前年同月の28%高であった。
今後も全国的に漁獲は低調な状態が続くと予想され、生鮮物の東京への入荷量は横ばい、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。冷凍物は、ロシア産などの輸入もあり、入荷量はやや増加し、卸売価格はやや弱含みで推移すると見込まれます。
まあじは、まき網では犬吠埼沖、山陰沖、対馬沖・九州西沖(五島沖)等に漁場が形成された。また、三陸では定置網、底曳網で漁獲された。九州西沖では盛漁期を過ぎたものの、9月下旬を中心にこの時期としては珍しく好漁が続いた。
9月上中旬の水揚量は2千トンで、前月から6%減少し、前年同月から5%減少した。価格は270円/kgで、前月の8%高、前年同月の10%安であった。
消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中アジは長崎主体に鳥取・島根等、中小アジは長崎・佐賀等、小・豆アジは三重主体に岩手・石川・富山等からであった。9月上中旬の入荷量は前月から4%増加し、前年同月から9%増加した。価格は前月の15%安、前年同月の20%安であった。
今後も低調な水揚げが続くと予想され、東京への入荷量は低調で横ばい、卸売価格は横ばいで推移すると見込まれます。
かつお一本釣り船の主漁場は青森〜宮城沖に形成された。かつお(中小〜中サイズ)主体の水揚げで、1日1隻あたりの平均漁獲量は6〜17トンであった。気仙沼では1日あたり100〜400トンのまとまった水揚げが続き、
9月下旬に入ると戻りガツオとなり脂がのり始めた。一方、かつお・まぐろまき網漁は、東北海域の沿岸や太平洋中部海域(三重〜静岡沖)で操業し、かつお主体にきはだ、きめじ、くろまぐろ混じりの漁獲が見られた。
9月上中旬の生鮮かつおの水揚量は6千100トンで、前月から26%増加し、前年同月の2.1倍であった。価格は192円/kgで、前月の11%安、前年同月の40%安であった。
消費地(東京)におけるかつおの入荷は、宮城主体に千葉・長崎等からであった。入荷量は前月から40%増加し、前年同月から65%増加した。価格は前月の24%安、前年同月の43%安であった。
今後、漁期終盤で水揚量が徐々に減少することから、東京への入荷量はやや減少するものの、例年より入荷量は多いと見込まれ、卸売価格は安値・横ばいで推移すると見込まれます。
さんま棒受網の主漁場は花咲沖470〜740海里付近の公海で、9月下旬には南下がやや進み250〜330海里付近にも漁場が形成され、やや近くなった。上中旬は道東・三陸合計で1日あたり300トン以下の水揚量であったが、下旬には500〜700トンの水揚げが続き徐々にまとまり始めた。魚体は90〜120g主体と小さかったものの、下旬になると130g以上の個体も増加した。
9月上中旬のさんまの水揚量は1千351トンで、前年同月の2.2倍であったが、過去と比較して極めて低い水準で推移した。価格は757円/kgで、前年同月の38%安であった。
消費地(東京)におけるさんまの入荷は、北海道からであった。入荷量は前月の6.4倍、前年同月から6%増加した。価格は前月の9%高、前年同月の23%安であった。
今後、漁期が進むにつれて東京への入荷量はやや増加すると見込まれるものの、水揚げが低調なことから、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。