生鮮スルメイカの水揚げが低調だ。9月の全国主要漁港水揚量(速報値)は前年同月比42%減の2636トンで、2011年以降の9月で過去最少となった。資源量が大幅に減少した上、夏場の高水温のため日本海の沖合ではロシア水域まで一気に北上した群れが多かったのではないかと推測する。
主要漁港のうち水揚量が最多の八戸(青森)は5割減の957トン、宮古(岩手)は3割減の460トン、石巻(宮城)は5割減の357トンだった。
三陸では禁漁期間を終えた沖合底引網漁が9月から操業を開始した。八戸で100トンを超える日もあり、石巻も1日20〜30トンと沖底は好調である。
道東の羅臼では8月末から小型イカ釣漁が始まり、多い日では13隻が操業した。一時高水温の状態が続いたが、低気圧の通過で9月中旬以降は高水温の状態は解消。根室半島沖から根室海峡の羅臼に群が来遊し、羅臼には3倍の208トンが水揚げされた。
今後の水揚量の見通しについては、好調な沖合底引の漁模様が注目される。