9月の生鮮一本釣カツオの全国主要港水揚量は前年同月比84%増の5633・5トンだった。全体の8割を占める主要港の宮城・気仙沼は2倍超の4590トン。増加理由としては、中サイズ主体の群れが東北沖へ、近年では比較的多く来遊したためと考えられる。
体長組成は小と大に偏った前年と異なり、例年同様に中サイズが主体となった。気仙沼の主体水揚げサイズは中小(2・5〜3キロ)だった。
脂のりの良い「戻りカツオ」が始まりつつあり、胃の内容物から、カツオにとって低水温となる20度以下の海域で索餌している形跡がある。
今後については、東北沖の漁場形成が続き、それほど漁場は遠くならず、東経150度までの範囲で、陸寄りから沖寄りにかけて東西に広く漁場が形成される見込み。10月の水揚量は前年以上で例年並みか、上回る可能性がある。巻網船もカツオを漁獲しているので、市場には多くのカツオが水揚げされるだろう。