まいわしは、まき網では道東沖、八戸沖、三陸沖〜房総半島沖及び山陰沖等で漁獲された。道東沖のミール向けのまいわしまき網漁は、7月上中旬の水揚げが好調であったものの、水温上昇等の影響で7月の終わりに水揚量が大幅に減少し、8月3日以降操業がなかったが27日に再開した。また、道東沖ではさけます流し網漁業代替のまいわし棒受網漁が行われ、50〜60gの小中羽主体に100g前後のニタリが若干の混じりで水揚げされた。三陸では定置網でも漁獲された。
8月上中旬の主要港における水揚量(以下「8月上中旬の水揚量」という。)は3千500トンで、前月から95%減少し、前年同月から20%減少した。価格は43円/kgで、前月の22%高、前年同月並みであった。
消費地(東京)におけるまいわしの入荷先は、千葉主体に北海道・石川等からであった。8月上中旬の入荷量は前月から61%減少し、前年同月から24%減少した。価格は前月の18%高、前年同月の25%安であった。
引き続き道東〜三陸のまき網では鮮魚サイズの漁獲が少ないことから、今後、東京への入荷量はやや減少し、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。
さば類は、まき網では八戸・三沢沖、犬吠埼沖、三重沖、山陰沖、対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部等で漁獲された。八戸・三沢沖では、例年より1ヶ月半遅い8月下旬にするめいか混じりでさばの漁獲が始まった。山陰沖のまき網による漁獲はまあじやぶりにまさばが混じる程度、東シナ海ではまさばのローソク(極小サイズ)・ごまさばのローソク主体の漁獲であった。伊豆諸島水域ではタモすくい網漁が引き続き行われ、ごまさばのみを漁獲した。一方、三陸では定置網による漁獲が見られた。
8月上中旬の水揚量は4千400トンで、前月並み、前年同月から16%増加した。価格は103円/kgで、前月の6%安、前年同月の44%安であった。
消費地(東京)におけるさば類の入荷先は、まさばは青森・岩手・宮城・長崎等から、ごまさばは宮城・神奈川・静岡等からであった。8月上中旬の入荷量は前月から28%減少し、前年同月から30%減少した。価格は前月の19%高、前年同月の28%高であった。
今後、水温の低下により三陸のまき網や定置網での漁獲が上向くと予想され、東京への入荷量は徐々に増加し、卸売価格はやや弱含みで推移すると見込まれます。
小型いか釣り漁船によるするめいか漁は、日本海側では北海道北〜山形〜新潟〜金沢〜山陰〜九州北部に広く漁場が形成された。一方、太平洋側では道東〜青森〜岩手沖に漁場が形成され、昼いか釣主体の漁を行った。道東では8月4日に花咲港で今期初水揚げがあり、8月中旬にまとまり始め、下旬には多い日で1日あたり約90隻が8千500箱を水揚げした。また、三陸では定置網でも漁獲があったほか、8月末から八戸沖のまき網にするめいかが混じり始めた。中型いか釣り船(船凍)による日本海のするめいか漁は、引き続き大和堆で操業した。
8月上中旬の生鮮するめいかの水揚量は、522トンで前月から34%減少し、前年同月から76%減少した。価格は701円/kgで、前月並み、前年同月の38%高であった。
消費地(東京)におけるするめいかは、石川主体に青森・秋田・新潟等から釣り物の入荷がみられた。8月上中旬の生鮮するめいかの入荷量は前月から25%減少し、前年同月から43%減少した。価格は前月の4%高、前年同月の22%高であった。
例年9月には三陸の沖合底曳網漁が再開しするめいかが水揚げされるが、主に加工向け原料となる。今後、東京への入荷量は三陸・道東の釣り物主体にやや増加すると見込まれるものの、引き続き全国的に漁獲が低調であることから、卸売価格は高値・横ばいで推移すると見込まれます。
まあじは、まき網漁では茨城〜犬吠埼沖、対馬沖・西沖(五島沖)・東シナ海中南部及び山陰沖等に漁場が形成された。また、三陸では定置網に入網が続いた。
8月上中旬の水揚量は2千200トンで、前月から34%減少し、前年同月から20%減少した。価格は250円/kgで、前月並み、前年同月から5%増加した。
消費地(東京)におけるまあじの入荷先は、中アジは長崎主体に千葉・島根・佐賀等、中小アジは長崎・山口等、小・豆アジは三重主体に新潟・富山・和歌山等からであった。8月上中旬の入荷量は前月から23%減少し、前年同月から11%増加した。価格は前月の4%高、前年同月の4%安であった。
今後も低調な水揚げが続くと予想され、東京への入荷量は低調で横ばい、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。
かつお一本釣り船の主漁場は青森〜宮城沖の沿岸〜沖合に形成された。かつお(2.5〜5kgの中〜大サイズ)主体の水揚げで、1日1隻あたりの平均漁獲量は5〜21トンであった。8月上中旬は、お盆休みの休漁や台風の影響で出漁数が少なかったものの、前年同期を上回る水揚量であった。一方、かつお・まぐろまき網漁は、青森〜宮城沖の沿岸や太平洋中部海域(三重〜静岡沖)で操業し、かつお主体にきはだ、きめじ、めばち混じりの漁獲が見られた。
8月上中旬の生鮮かつおの水揚量は4千800トンで、前月から49%減少し、前年同月から34%増加した。価格は216円/kgで、前月の20%高、前年同月の29%安であった。
消費地(東京)におけるかつおの入荷は、宮城主体に千葉・三重・長崎・鹿児島等からであった。入荷量は前月から34%減少し、前年同月から30%増加した。価格は前月の27%高、前年同月の26%安であった。
今後、まき網はいわし・さば漁に切り替える船があり、水揚量が減少することから、東京への入荷量はやや減少するものの、例年より入荷量は多いと見込まれ、末端の需要も弱いことから、卸売価格は安値・横ばいで推移すると見込まれます。
今期のさんま漁は、例年7月10日頃から道東沿岸で行う流し網漁で水揚げがなく、8月に入り例年通り棒受網がトン数階層別に順次解禁になった。小型船は10日に解禁し、花咲沖600〜700海里付近の公海で操業した。1隻あたり平均1.3トンを漁獲し、19日に厚岸港、花咲港で昨年よりも5日早く今期初水揚をおこなった。魚体は110gアップ主体に100g以下が混じり、全般的にサイズは小さかった。15日に解禁した中型船は、小型船と同じ漁場で操業し、23日に厚岸港、花咲港に合計約130トンを水揚した。20日に解禁した大型船も中・小型船と同様の漁場で操業したものの、漁獲量は非常に少なかった。
8月19日から水揚げが始まった8月中旬の水揚量は5トン、価格は6,213円/kg、下旬の水揚量は848トン、価格は452円/kgであった。
消費地(東京)におけるさんまの入荷は、北海道からであった。入荷量は前月から26%増加し、前年同月から52%減少した。価格は前月並み、前年同月の16%高であった。
今後、漁期が進むにつれて東京への入荷量は増加するものの、水揚げが低調なことから、卸売価格はやや強含みで推移すると見込まれます。