03年タコ
単位:数量,1000トン、価格,円/kg |
輸入の動向
15年の輸入量は、5.6万トンで前年の7.4万トンを引続き下回った。これは引続きサハラ沖漁場の長期休漁と漁場の不漁のためであるが、大半がモロッコの減少を反映したものである。
本年の西アフリカ漁は、モロッコでの休漁期間の恒常化とTAC設定による生産規制と漁自体の不振もあり昨年以上に輸入量が減少した。
本年の西アフリカ夏ダコトロール漁は、3月20日から休漁に入り当初予定よりの期間の1ヶ月の延長もあって6月16日に解禁となったが、予想通り漁は好漁場域の閉鎖もあって当初から極めて低調に推移した。船凍トロール同様とダクラの陸凍ツボタコ漁も極めて貧漁に推移した。
9〜12月(昨年9〜11月)の年内一杯の休漁(モーリタニア11月1日解禁)でモーリタニアでの冬ダコ漁(国内搬入は2003年)もスペイン船も含めて低調であった。
また、現地での漁のアソートは冬タコ漁の残り3ヶ月は7,8番主体に始まり後半は中間サイズまで大きくなり、休漁を挟んだ夏漁が漁場域の北と南によって北が大型、南が6、7、8番であった。ツボは大型の2、3,4番主体であった。冬漁は小型(6、8番)サイズ主体で国内向けには春需にあったサイズとなった。
市況は、本年の長期休漁措置で約6ヶ月の操業、漁獲減枠の設定等も重なり引続き上昇した。
しかも大型サイズはEUを始めとした競合も多く本年も高値設定により買い負けするなど、搬入の減少に拍車をかけている。
輸入国は、本年もモロッコが一番多いがそのシェアが徐々に少なくなりつつあり、38%(前年58%)であった。続いて、モーリタニア(21%)で前年(10%)を大きく上回り、かなりモロッコに接近しつつある。またアジア系では、中国、ベトナム、タイの順となり、昨年同様中国、ベトナムからの輸入が増加した。
輸入価格も、640円と前年(574円)を上回り、前々年(335円)に比べると、実に71%アップになっている。
また本年は西アフリカ沖の減少もあり、国内マダコ、中国産、ミズダコ、イワダコ製品等の搬入等、供給をめぐって国内側の変化も多様化している。
在 庫 量
本年の平均在庫量は、2.4万トンと現地での長期休漁と不漁の影響による国内搬入の少なさを反映し、前年(2.5万トン)を更に下回り、近年では最低であった1998(平成10)年を下回る少なさであった。
越年在庫は2.2万トンで前年(2.2万トン)並みの少なさであり、マーケットの縮小が在庫減少を補っている。
本年の在庫アソートも大型の搬入が少なくピラミッド型の時期が多かった。
消費地入荷量と価格
15年の消費地入荷量(10大都市)は、2.6万トンで低調な輸入量を背景に引続き前年(3.6万トン)をかなり下回った。
スーパーを中心にした末端小売店で定着していた特売は既に日常的には極めて少なくなり、半夏生の時期等、限られてきている。
家庭消費支出は、量的には前年に比べると引続き減少し、金額的にもかなり落ち込んでいる。
価格は、835円で前年(779円)を前年同様引続き上回り、本年も輸入価格と消費地価格は連動していた。