03年サケ.マス
単位:数量,1000トン、価格,円/kg
漁 獲 量
15年の北洋サケマス漁業は、ロシア200海里枠が中型船4,120トン(前年7,980トン)、小型船1,650トン(前年2,800トン)で中・小型船とも引続き減少が目立った。入漁料は中型・小型とも292.5円/sで引続き若干の上昇であった。また、漁況はベニ、トキが昨年より大幅減少、マスが前年並みであった。またオホーツク建てマスは並であった。
日本200海里枠4,100トンで前年(カラフトマス主体4,100トン)を下回った。
秋サケ沿岸漁獲量は、北海道5,658万尾(前年4,228万尾)、本州1,184万尾(前年1,097万尾)、トン数では北海道21.6万トン(前年16.0万トン)、本州4.18万トン(前年3.97万トン)であった。 北海道では前年以上の豊漁で、また本州でも主体の岩手県を始め若干増加したが、北海道ほどの大幅増加には繋がらなかった。
価格は、北海道の漁が史上1,2を争う好漁であったことを受けたことと、秋サケは昨年を下回る軟弱相場が続いた。岩手県では北海道の好漁の影響をもろに受けて北海道以上の下落が続き、その結果前年を下回った。
魚体は、北海道3.82kg(前年3.80kg)、本州3.53kg(前年3.62kg)で今年も北海道が前年よりやや大きく、本州やや小さかった。
国内養殖銀ザケは、本年は輸入養殖系サケの搬入減少があったものの、引続き0.8万トン(前年1万トン)とやや減少した。
輸 出 入
15年のサケマス輸入量は、21.6万トンで前年(27.0万トン)をかなり下回った。
この減少は天然物、養殖物とも減少したこと、特にチリ産の前年度の減産や搬入遅れを反映したものである。
天然物の国別輸入量は(全てのサケマス類)、米国2.8万トン(前年3.2万トン)、カナダ0.4万トン(前年0.8万トン)、ロシア2.7万トン(前年3.2万トン)であった。
また、1999年初めて米国をぬいてトップにたったチリを始めノルウェー等各国からの養殖ギンサケ、アトランティックサーモンやトラウト等は価格的にかなり安くなっており、年々生産に影響が出ている。特にチリでの減産により若干養殖物の輸入の減少は引続きみられ、また抗生物質問題による検査体制の強化、BSE等によるマーケットの変化もあって新物の国内搬入が非常に遅れた。その結果養殖系の日本への輸入はかなり少なくなった。輸入国もチリ9.3万トンで前年の12万トンをかなり下回り、ノルウェーも4.8万トンで、前年(6.3万トン)を下回った。またニュージーランド、デンマーク、オーストラリア等からの輸入も変わりなくみられた。
輸入価格は、471円で本年は減産による価格の上昇に影響を受けて前年(387円)をかなり上回った。
また、近年まとまった輸出がみられていたアキサケは、本年も国内漁、特に北海道での漁が豊漁であったことと、中国での買入価格の上昇もあって、6.3万トンと前年(3.4万トン)の倍近い数量を記録した。
輸出先は、依然中国5.2万トン(前年約2.4万トン)で依然80%以上で多く、シェアは高い。続いてタイ4,493トン、台湾3,563トン、韓国1,750トン、ロシア410トンであった。
総 供 給 量
本年は輸入量が養殖系減少によりかなり減少をみたものの、国内秋サケ漁の豊漁がそれを補ったが、対中国向け輸出が大幅に増加した結果、総供給量は、前年をやや下回る58万トンとなった。
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消費地入荷量と価格
サケの消費地入荷量は、生2.5万トン(前年2.7万トン)、冷6.7万トン(前年7.3万トン)、塩4.8万トン(前年5.3万トン)であった。
本年の入荷の特徴は、このところの安値浸透により順調に伸びていた生鮮であったが、本年秋サケの好漁もあったが、初めて減少したことが目立った。また冷凍原料も天然、養殖とも輸入減少もあって市場扱いも減少した。
順調に伸びてきた生秋サケは、切り身、生フィレーでの販売がすっかり全国的に定着したが、本年はやや減少した。本年も北海道での好漁もあり、消費伸長には条件は良かったが、サンマの豊漁安値もあってか入荷は減少した。また、製品である塩蔵物(切り身商材)も本年は再度減少した。輸入価格、市場価格、末端価格とも上昇し、その影響も考えられる。
家計消費でみても生鮮がやや減少し、塩蔵は前年並みの推移であった。
価格は、生617円(前年602円)、冷514円(前年451円)、塩671円(前年634円)となった。
特に生鮮は秋サケを始め、また冷凍、塩蔵は輸入養殖系の高値もあり、何れも久しぶりに高値推移が顕著であった。