02年 タコ

 

単位:数量,1000トン、価格,円/kg

                                                                                               

輸入の動向

  14年の輸入量(イイダコ含む)は、7.4万トンで前年の8.6万トンを引続き下回った。これは引続きサハラ沖漁場の長期休漁と漁場の不漁のためである。

 本年の西アフリカ漁は、モロッコでの休漁期間の長期化とTAC設定による漁獲減少と漁自体の不振もあり昨年に続き輸入量が減少した。

 本年の夏ダコトロール漁は5月1日解禁もストライキ等で若干遅れた上に、西アフリカ漁も当初から極めて低調に推移した。船凍トロール同様とダクラの陸凍ツボタコ漁も前年の半分で極めて低調に推移した。

9〜11月(昨年9〜11月)の休漁(モロッコ11月15日解禁、モーリタニア11月1日解禁)を挟んだ冬ダコ漁(国内搬入は2003年)は前年を下回る不漁であった。

 また、現地での漁のアソートは冬タコ漁の残り1月は6,7番主体で、夏漁が例年と違い4番主体で始まり、総じて寸胴型アソートで大型が少ない組成となり、冬漁は小型(7、8番)サイズ主体で国内向けには春需にあったサイズとなった。

 市況は、前年に次ぐ長期休漁措置や、漁獲枠の設定、商談時期の締め付け等、日本側にとっては不利な条件も多く、引続き高騰した。

 しかも為替円安とEUを始めとした競合も多く買い負けもみられるなど、じり高傾向は年間を通じてみられた。

 輸入国は、本年もモロッコが一番多いがそのシェアが徐々に少なくなりつつあり、58%(前年68%)であった。続いて、モーリタニア(10%)で前年(12%)をやや下回り、モロッコ一極集中からややシェアを落としている。またアジア系では、中国、ベトナム、タイの順となり、昨年同様中国、ベトナムからの輸入が増加した。

  輸入価格も、574円と前年(439円)を上回り、前々年(335円)に比べると、実に71%アップになっている。

 また本年は西アフリカ沖の減少もあり、国内マダコ、中国産、ミズダコ等供給をめぐる国内側の変化もみられるようになってきた。

 

在 庫 量

  本年の平均在庫量は、2.5万トンと現地での長期休漁と不漁の影響による国内搬入の減少さを反映し、前年(3.2万トン)を下回り、近年では1998(平成10)年並みの少なさであった。

 越年在庫は2.2万トンで前年(2.3万トン)をやや下回り、これも1998年末に次ぐ少なさで、昨年に続いて年明け後も大量搬入はなさそうで、昨年に続き2万トン割れの事態も目前となっている。

 在庫アソートもピラミッド型の時期が多かった。

 

消費地入荷量と価格

  14年の消費地入荷量(10大都市)は、3.6万トンで低調な輸入量を背景に引続き前年(4万トン)を下回った。

  急激な輸入アフリカダコの減少により末端小売店で定着していた特売は、単価の上昇とともに極めて少なくなり、マーケットの縮小も顕著になっている。

 家庭消費支出は、量的には前年に比べると減少したが、金額的には単価高あり微減に止まった。

  価格は、779円で前年(622円)を引続きかなり上回り、本年も輸入価格と消費地価格の連動性はみられた。