02年サケ.マス
単位:数量,1000トン、価格,円/kg
漁 獲 量
14年の北洋サケマス漁業は、ロシア200海里枠が中型船7,980トン(前年8,570トン)、小型船2,800トン(前年3,100トン)で中・小型船とも引続き減少が目立った。入漁料は中型・小型とも265円/sで引続き若干の上昇であった。また、漁況はベニが昨年より減少、トキが前年並み、マスが大幅増加であった。またオホーツク建てマスは3倍増であった。
日本200海里枠4,100トンで前年(カラフトマス主体5,170トン)を下回った。
秋サケ沿岸漁獲量は、北海道4,235万尾(前年4,464万尾)、本州1,074万尾(前年1,030万尾)、トン数では北海道15.9万トン(前年16.2万トン)、本州3.9万トン(前年3.5万トン)であった。 北海道では前年に引続き好漁となり、また本州でも主体の岩手県を始め増加し昨年に続きやや戻した格好になったが、近年の低調な漁そのものには変化はない。
価格は、北海道の漁が順調であったことを受けたことと、全体の供給量も潤沢であったことで秋サケは軟弱相場が続いた。特に岩手県では10月から11月にかけて、前年を上回ったものの、盛漁期の11月後半から前年を下回るなど下落傾向となり、その結果前年を下回った。
魚体は、北海道3.76kg(前年3.64kg)、本州3.62kg
(前年3.44kg)で今年も北海道・本州とも何れも前年より大きかった。
国内養殖銀ザケは、サケ類全体の供給過剰の中で輸入養殖系との競合で苦しい戦いが続いており、引続き宮城県でのブランド化の試みもあるが、本年も1万トン(前年1.2万トン)とやや減少した。
輸 出 入
14年のサケマス輸入量は、27.0万トンで前年(27.6万トン)をやや下回った。
この減少は養殖物の増産にややブレーキがかかったこと、特にチリの減少を反映したものである。
天然物の国別輸入量は(全てのサケマス類)、米国3.2万トン(前年3.3万トン)、カナダ0.8万トン(前年0.6万トン)、ロシア3.2万トン(前年2.7万トン)であった。
また、1999年初めて米国をぬいてトップにたったチリを始めノルウェー等各国からの養殖ギンサケ、アトランティックサーモンやトラウト等は各生産国での増産意欲も弱いわけではないが、前年の過剰供給=価格の下落もあり、チリでの減産により若干養殖物の輸入は減少した。また末端マーケットをみると特にベニ場といわれていた関西等でも養殖系が定着化しつつあり全国的にそのマーケットは拡大・定着した。特に生指向(刺身指向)の中で身色の良さ、脂の乗り等で刺身・寿司種商材として全国的に伸長し、振り塩での量販体制の中で需要は安定している。輸入国もチリ12万トンで前年の14万トンを下回り生産の増加に陰りが見えたが、ノルウェーは6.3万トンで、依然前年(6.3万トン)並みで安定していた。またニュージーランド、デンマーク、オーストラリア等依然広範な国からの輸入も変わりなくみられた。
輸入価格は、387円で本年も前年(398円)をやや下回った。これは、下半期は養殖物減産により価格上昇が顕著であったが、上半期の安値が影響した結果である。
また、近年まとまった輸出がみられていたアキサケは、本年も国内漁がそれなりに順調であったことから3.4万トンと前年(2.9万トン)を上回った。
輸出先は、依然中国2.4万トン(前年約2.2万トン)で依然70%と多く、シェアは高い。続いてロシア1,769トン、タイ3,865トン、台湾3,480トン、韓国814トンであった。
総 供 給 量
本年は輸入量が養殖系減少により若干の減少がみたものの、天然物が前年を上回り、期首在庫もかなり多く、秋サケを始めとした国内漁も順調で、総供給量は、前年を下回る60万トンとなった。
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消費地入荷量と価格
サケの消費地入荷量は、生2.7万トン(前年2.6万トン)、冷7.3万トン(前年6.5万トン)、塩5.3万トン(前年5.2万トン)であった。
本年の入荷の特徴は、このところの安値浸透により上半期に前年を上回る扱いになり、秋サケの好漁もあって生鮮が依然伸びており、同時に冷凍も原料として依然増加したのが目立った。
順調に伸びてきた生秋サケは、切り身、生フィレーでの販売がすっかり全国的に定着し、入荷も依然増加傾向にある。本年も特に初期の北海道での好漁があったことで、更に入荷は増加した。また、製品である塩蔵物(切り身商材)も本年は再度増加し、末端での安値販売の常態化が顕著となっている。
家計消費でみても塩蔵がやや減少したが、生鮮は依然量的には増加している。
価格は、生602円(前年621円)、冷451円(前年482円)、塩634円(前年661円)となった。
特に生鮮は秋サケの好漁により、また冷凍、塩蔵は輸入養殖系のチリでの減産もあったが上半期の安値により、安値推移が顕著であった。