02年 マグロ類

                      単位:数量,1000トン、価格,円/kg

漁獲量

                                                                                        

産地水揚量(42港)                                             流通統計     

輸 入 量                                                  通関統計

輸 出 量

消費地入荷量(10大都市)                                 流通統計 

 

全国平均世帯の消費支出(総務庁家計調査

 

月平均在庫量                  流通統計  

 

 

産地水揚量(49港)

  14年のマグロ類の産地水揚量は、11.1万トンで前年(9.1万トン)をかなり上回った。

 生鮮は、3.9万トンで前年(3.7万トン)をやや上回った。

 これは昨年不漁であった近海まき網クロマグロの水揚げがやや回復したことと、小型延縄船によるメバチの漁獲がかなり増加したことを受けたものである。

 また、近海のメジマグロは、近年好調であった日本海、九州西部で前年同様やや低調に推移し昨年並み、夏場の三陸沖でのまき網漁も昨年同様不発に終わり昨年をやや下回って推移した。

 冷凍はで7.2万トンで前年(5.4万トン)をかなり上回ったが、この増加は東沖漁場での釣りビンナガ漁が好調であったことを反映したものである。

また今年の西経域を主体とする大型延縄船の漁は、メバチ、キハダが主体であったが昨年をやや下回り平均1トン以下であった。特に漁況の変動が大きく不安定な漁模様が続いた結果である。また大西洋、インド洋とも総じて低調であったが、第4四半期後半に昨年には及ばないもののソマリア沖でキハダの好漁がみられたことが特徴であった。また本年の南マグロ漁はケープ沖、シドニー沖で前年をやや上回り、南インド、タスマニア沖では前年を下回る不振であった。また大西洋北部のクロマグロ漁も船間差もあり昨年同様かなり不振であった。

 

日本海マグロ水揚実績(境港)

 

輸入量

  14年の輸入は、32.5万トンで前年(28.7万トン)を上回る大量搬入であった。

本年は生鮮品の減少、冷凍本マグロ、冷凍ミナミマグロ、冷凍メバチ、冷凍キハダの増加と、冷凍品の増加が目立った特徴であった。特に冷凍キハダはインド洋の前年12月の好漁の影響もあって搬入増加が顕著であった。

また、脂身物や上赤身物の減少に伴い、年々増加している蓄養物も、本年も特に南マグロなどは冷凍型にシフトしている。周年商材化の中で、その値頃感もあって冷凍型流通も伸びが目立っている。したがって、蓄養マグロは98年0.7万トン、99年1.3万トン、2000年1.6万トン、2001年2万トン、2002年2.3万トン前後とみられ、本年も着実に増加している。

また赤身系のメバチ・キハダの蓄養物も昨年初めて築地に搬入されるなど、メキシコ産赤身マグロの蓄養拡大の動きも依然注目されている。

 

在庫量

  本年の月平均在庫(ビンナガも含む)は、6.7トンでほぼ前年(6.7万トン)並みであった。

 本年は、ビンナガが下半期に漁の好転とともに在庫が膨らみ近年でも圧倒的に多い在庫であった。この他キハダとメバチは下半期に入って在庫がビン長とは逆に少なくなったこと、脂身系の南マグロ・本マグロも引続き、蓄養物の搬入が多かったことと国内生産も昨年より多く、その結果在庫も昨年に続き多めであった。

 

消費地入荷量

  14年の消費地入荷量は、14万トンでほぼ前年(13.7万トン)並みであった。

  本年の特徴は、生鮮減少、冷凍が増加であったが、キハダが生鮮、冷凍とも減少したほかは概ね前年並みかやや上回ったのが特徴であった。

 

価 格  (単位:円/kg)                            流通統計

  14年のマグロ類の産地価格は、生鮮では全ての魚種が前年を下回る推移で、冷凍もキハダがやや上伸したの除くと前年を下回った。マグロはまき網が前年を上回る漁であったことや、輸入畜養物に押され弱含んだ。また赤身系も総じて弱含みで推移した。

特に好漁であったビン長は、品質も今一歩で、在庫も多く大幅に値段を下げたのが特徴であった。

  14年の消費地価格は、ほぼ産地と同様の傾向をみせておりキハダを除いて、各魚種とも前年を下回る動きであった。

  また、本年も昨年同様、赤身商材の中・小メバチ、キハダは安値定着化の中で周年特売商材としての利用されており、特に末端では土曜、日曜の消費は多かったものと見られ、マグロの購入量は前年を上回る消化となっている。しかし金額は昨年並みであり、単価的には下げている現状を反映している。

 また刺身盛り合わせは依然量・金額とも増大基調にあり、前年を上回ったが、末端ではより簡便化商品への希求の動きの反映であるものと思われる。

日本近海(北部太平洋海域)まぐろ魚体組成

 

 

 

 

資料:輸入マグロ類の実績