02年　マアジ 単位：数量、1000トン、価格、円/kg 　　 　　

漁獲量と資源

14年の漁獲量も、20万トン前後と推定されるが、ほぼ前年並みの水準であり、近年ではやや低い水準の漁獲量となった。

　本年は主体の東シナ海では伸びたが、山陰海域では前年を引続き下回るなどやや低調な漁獲に終わった。

　主力の東シナ海及び日本海沿岸で主に漁獲される対馬暖流系群は、1980年代以降増加傾向を示し、1990年代の中盤は高い水準を維持した。しかし99年,2000年とやや減少しており、水準としては中位といわれている。

また太平洋系群は1982年以降一貫して増大、特に1990年代中ごろ高く安定していた。しかし加入量の減少により1997年以降資源量は減少に向かったが、再度2000年には加入量の増大がみられ、現在資源は中水準で減少傾向にある。

以上のように何れも資源水準は中位であるが、今後の資源の安定的な管理には、産卵主群である2､3､4歳魚＝親魚の確保の必要性が依然必要であるとともに、ともに主産卵場である東シナ海の諸外国との共同管理も極めて重要且つ必須の課題として取り組む必要がある。

ムロアジ類

本年のムロアジは、前年より漁獲が上回ったものの依然資源状況の目立った回復はみられて

おらず、近年でも昨年に続いて低い一昨年並みの漁獲にとどまったものとみられる。

（近年ＭＡＸ：Ｈ２年 10.9万トン）

産地水揚量と価格（４９港）

14年のマアジの水揚量は､12.6万トンで前年(12.1万トン)をやや上回った。

九州西方海域では、春の盛漁期（４〜６月）には昨年同様大きな漁獲の伸びがみられなかったが、秋口の9,10月に当歳魚の大きな漁獲の伸びがみられたこともあり、水揚げは前年をかなり上回った。

　しかし、山陰沿岸では九州同様、秋口には9〜10月に漁獲の伸びが見られた程度で春先の低調さもあって、昨年をかなり下回る水揚げに終わった。また、総漁獲量でも東シナ海に大きく離されている。

太平洋側では昨年に続き薩南海域が好調であったが、他はやや低調で昨年を下回った。　　　

魚体は、東シナ海では100g以下のアジが39%(前年35％)(70g以下の豆アジは全体の19%前年22％)を占め主体であり、本年も魚体の小型化傾向が一層顕著であった。

山陰沿岸でも、依然、魚体の大きいマアジは少なく豆アジ（０〜１歳魚）主体で、僅かでであった。

価格は、194円で前年（199円）を僅かに下回ったが、魚体も全国的に小さく弱含んだ。

輸　入

14年のアジの輸入は、4.9万トンで５〜７万トンの近年の範囲外では低水準であり、前年(6.4万トン)を下回った。

　本年は、オランダ1.6万トン(前年:2.3万トン)、ノルウェー0.8万トン（前年：0.3万トン、アイルランド0.8万トン（前年1.9万トン）で再度アイルランドが減少、逆にノルウェーの伸びが目立った。韓国は0.6万トンで前年（0.4万トン）をやや上回った。

　本年は、国内漁の4年続きの低迷がみられたが、大西洋の不漁もあって輸入が減少した。

　価格は、132円で前年(123円)をやや上回ったが、海外産地での不漁の影響が反映した。

在　庫　量

本年の在庫量は、4.4万トンと引続き前年（4.5万トン）をやや下回った。

　これは、国内生産量の低迷と、輸入量の減少したことによるものである。

消費地入荷量と価格

14年の消費地入荷量（10大都市）は、5.2万トン（生4.8万トン、冷0.4万トン）で産地での水揚げ減少もあって前年5.4万トン（生5万トン、冷0.4万トン）をやや下回った。なお、塩干は2万トンで前年（2.1万トン）をやや下回り引続き漸減傾向が続いている。

　本年の消費支出は昨年同様数量、金額ともやや減少しており、消費地市場同様の傾向がみられた。

価格は、生465円（前年462円）、冷275円（前年283円）、塩干541円（前年566円）であったが、生鮮がほぼ前年並み、塩干が需要減退でやや下落､冷凍が引続き下落した。