2001年タコ
単位:数量,1000トン、価格,円/kg
輸 入 の 動 向
13年の輸入量(イイダコ含む)は、8.6万トンで前年の11.6万トンをかなり下回った。
本年のモロッコ、モーリタニア沖の漁は比較的好調に推移したが、なにしろ1年間の半分以上の休漁があったため、本年は輸入量がかなり減少した。
本年の夏ダコトロール漁は1〜4月にかけてモロッコ沖の過去に例をみない異例の長きに亘る休漁(モーリタニアは操業したが400〜500s/1日程度の薄漁)明け後の当初は極めて好調に推移したが、長くは続かず1ヵ月後には並み漁となった。ダクラの陸凍ツボタコ漁も大型主体に順調に推移した。9〜11月(昨年9,10月)の休漁を挟んだ冬ダコ漁(国内搬入は2002年になるため2001年には供給されない)も前半は船凍、陸凍とも好漁であった。
また、現地での漁のアソートは夏漁が前半大型主体(2、3、4番)で後半には、中型(4、5、6番)に変わった。逆に冬漁は小型(6、7番)サイズ主体であった。
市況は、前年以上の長期休漁措置や、現地処理能力の向上による仕事買いなどもあって、引き合い強く高騰した。
しかも円安に反転したこともあり輸入コストも上がり、じり高傾向は年間を通じてみられた。また2002年の休漁も長期となりそうで、この体制は長く続きそうである。
輸入国は、本年もモロッコが一番多くそのシェアが更に高まり、シェアが68%(前年62%)となった。続いて、モーリタニア(12%)で前年(18%)をやや下回り、モロッコ一極集中の漁の回復となった。またアジア系では、中国、ベトナム、タイの順となり、中国、ベトナムからの輸入が増加した。
輸入価格も、439円と引続き前年(335円)を下回ったが、これは、浜値=輸入価格の上昇によるものである。
また本年は大手水産会社等の関税等をめぐる不祥事もあり、下半期まで関税率が決定しないなど貿易をめぐる問題点も指摘された。
在 庫 量
本年の平均在庫量は、3.2万トンと現地での長期休漁の影響による国内搬入の減少を反映し、前年(3.7万トン)を下回った。
越年在庫は2.3万トンで前年(3.1万トン)をかなり下回ったが、年明け後も大型搬入はなく2月以降の休漁も予定されており、2万トン割れの事態も十分予想される。
また、本年は漁獲アソートが前半大型、後半小型にとなったが、例年以上に大型の消化が進んでやや逆ピラミッド型の在庫であった。
消費地入荷量と価格
13年の消費地入荷量(10大都市)は、4万トンで低調な輸入量を背景に前年(4.6万トン)を下回った。
近年、末端小売店で定着していた特売は、本年はさすがに価格の上昇がみられたために回数の減少と単価アップがみられたものの、それでもそれなりの特売は続いていた。
家庭消費支出は、量的にも金額的にも昨年を下回った。
価格は、622円で前年(511円)をかなり上回ったが、消費地段階でも浜値の高騰を反映し周年前年を上回る推移であった。