2001年の主要水産物の需要と供給
単位：数量，1000トン、価格，円／kg
数 量
本年の産地水揚量（統計情報部集計による全国42産地漁港）は、依然減少傾向が続いており233万トンで本年も引続き前年をやや下回った。
全体的な特徴としては浮魚青物類の増加、底魚種の減少が顕著であった。
大きく増加した魚種は、マイワシ、ウルメイワシ、サバ類、サンマ、ムロアジ、冷凍マグロ、冷凍ビンナガ等であり、大きく減少した魚種は生鮮マグロ、生鮮キハダ、生鮮カツオ、天然ブリ類、スケトウダラ、海外マツイカ、生鮮アカイカであった。
輸入は、382万トンと引続き増加傾向であった。
この中で目立って増加した魚種は、すり身、魚肉、ミール等の1次加工品や製品、世界的に増加傾向にある養殖主体のサケ類であったが、中でもミールが前年より15万トン近い増加で太宗を占めた。逆に大幅に減少した主な魚種は、タコ､カニ、キハダで何れも現地での水揚げ減少が反映したものである。
輸出は、約31.3万トンで前年（22.2万トン）をかなり上回った。
本年は、前年程の豊漁ではなかったがカツオがタイ向けに倍増したのと、北海道での定置が好漁であったアキサケと国産､海外で好調であったイカが昨年を大きく上回ったのが特徴。
消費地入荷量（10大都市）は、214万トンで前年(218万トン)並みであったが、近年の減少傾向は今年も続いた。
目立って多くなった魚種は、生鮮ではサンマ位で、冷凍ではキハダ、サケ類、サンマ、大きく減少した魚種は、漁不振の生鮮マグロ、カツオと活マダイであった。本年は生鮮物が減少傾向、冷凍品・塩干品横ばい、貝類、海藻類がやや増加した。
在庫量は、月平均134万トンで前年（137万トン）をやや下回った。これは、輸入量が引続き増加（魚粉・ミールの増加が大きい）したものの、国内生産量の減少が反映しているものとみられる。
価格・金額
１３年の産地価格は、163円で引続き前年（171円）をやや下回ったが、マイワシ、ウルメイワシ、サンマ、サバ類、生鮮赤イカ等の多獲性魚種で安値推移が目立ったことによるものである。
目立って高かったのがまき網での漁不振の生鮮マグロ、東沖での漁が低調であった冷凍ビンナガ、生鮮カツオ、冷凍スケトウダラ、ホッケで、その他の魚種については概ね前年比10％内外の増減率の範囲で推移した。
消費地価格（10大都市）は、798円で前年（819円）をやや下回った。
目立って高くなった魚種は、産地同様生鮮マグロ、カツオとマダイと輸入が大きく減少した冷凍タコであった。
逆に目立って安くなった魚種は、サンマ（生・冷）とブリあったが、総じて社会経済現象を反映し横ばいから弱含みであった。
輸入金額は、１兆7236億円で引続き前年を10億円下回った。
輸出金額は、1348億円で前年（1384億円）を下回った。
円 レ ー
ト
13年の円レート（対ＵＳドル）は、年平均120円で前年（107円）より13円の円安となった。
円レートは、85年の９月のプラザ合意以降一時的な円安がみられたものの急速な円高・ドル安傾向が10年間続いた。
しかし、95年秋から円安に転じ、9７年以降に証券会社、銀行の倒産が続き金融システム不安等も重なり一層円安が進行し、98年も一時140円台の安値を記録するなど秋口まで円安が進行した。その後、一時年末にかけて円高(113円)へと反騰したが、99年は夏場までやや円安(114〜121円)で推移したが、下半期には急激に円高に反騰し、12月は103円まで急騰した。2000年は年末の円高の103円からスタートで、一時的な円高はあったが、基本的には円安傾向で推移し、年末には111円まで下げた。2001年は長引く不況や銀行、ゼネコン、流通分野での倒産、再編もあり、年を跨いで急激な円安が進行し、９、10月に119円とやや円高に戻したものの12月には124円と円安に急落した。総じて円売りが進んだ１年であり、97年水準まで戻した。
（参考：84年237円→85年240円→86年170円→87年146円→88年128円→89年137円→90年145円→91年135円→92年127円→93年112円→94年102円→95年94円→96年108円→97年121円→98年131円→99年114円→2000年107円→2001年121円）
石 油 価 格（１kl当たり）
13年のＡ重油価格は、前年末からの33,000円の2年続きの高値から始まり、３月下旬には32,500円に下落した。その後５月上旬30,500円、６月上旬30,000円に続落した。この価格は11月上旬まで続いたが、11月中旬には29,000円、12月中旬28,000円と続落し、本年は冬場の相場上昇もなく最後までじり安傾向であった。
参考：近年の最高値74,000円/kl（1982年11月）