2001年サケ.マス

                                                     単位:数量,1000トン、価格,円/kg

                                                                              

漁 獲 量

  13年の北洋サケマス漁業は、ロシア200海里枠が中型船8,570トン(前年12,810トン)、小型船3,100トン(前年3,300トン)で中・小型船とも減少が目立った。入漁料は中型・小型とも248円/sで若干の上昇であった。また、漁況はベニが昨年並みであったほかトキが大幅に減少、マスが増加であった。またオホーツク建てマスは1/4に減少した。

 日本200海里枠5,170トン(カラフトマス主体5,920トン)で前年を下回った。

  秋サケ沿岸漁獲量は、北海道4,449万尾(前年3,100万尾)、本州1,030万尾(前年948万尾)、トン数では北海道16.2万トン(前年10.4万トン)、本州3.5万トン(前年3.1万トン)であった。 北海道では久しぶりに豊漁となり、また本州でも主体の岩手県を始め増加しやや戻した格好になったが、近年の低調な漁そのものの変化はない。本年は北海道の豊漁による総量の増加で、フィレーやとば原料としての冷凍品在庫の多さが目立った。

 価格は、出足北海道の豊漁と輸入養殖ものの今日急増の中で軟弱相場が続いた。

  魚体は、北海道3.64kg(前年3.36kg)、本州3.44kg (前年3.29kg)で何れも前年より大きかった。

  国内養殖銀ザケは、サケ類全体の供給過剰の中で輸入養殖系との競合で苦しい戦いが続いており、引続き宮城県でのブランド化の試みもあるが、本年も1.2万トン(前年1.3万トン)とやや減少した。

 

輸 出 入

  13年のサケマス輸入量は、27.6万トンで前年(23.2万トン)を上回った。

 この増加は引続き養殖物の増産が反映したものである。

 国別輸入量は(全てのサケマス類)、米国3.3万トン(前年5.4万トン)、カナダ0.6万トン(前年0.5万トン)、ロシア2.7万トン(前年2.6万トン)であった。

 また、一昨年初めて米国をぬいてトップにたったチリを始めノルウェー等各国からの養殖ギンサケ、アトランティックサーモンやトラウト等は各生産国での増産意欲も強く、本年も過剰供給と思われるほどの搬入がみられた。そしてベニに替わる定塩や振り塩製品の原料としての利用を始め、外食産業等での需要も安定しつつあり、特にベニ場といわれていた関西等でも需要を伸ばしており全国的にそのマーケットを拡大しつつある。生指向(刺身指向)の中で身色の良さ、脂の乗り等で刺身・寿司種商材として全国的に定着化した。輸入国もチリ14万トンで前年の9.9万トンをかなり上回り史上最高を更新し、ノルウェーも6.3万トンで、前年5.4万トンを上回り回復しつつある。またニュージーランド、デンマーク、オーストラリア等依然広範な国からの輸入も変わりなくみられている。

  輸入価格は、398円で前年(497円)をかなり下回った。これは、何よりも供給増加による養殖物の安値が浸透した結果である。

  また、近年まとまった輸出がみられていたアキサケは、本年は国内漁の回復もあって2.8万トン前年(0.5万トン)を大幅に上回った。

 輸出先は、依然中国2.2万トン(前年約3千トン)で80%近いシェアで多く、かなりの回復を見た。続いてロシア2,350トン、タイ1,364トン、台湾1,156トン、韓国491トンであった。(中国ではフライ、蒸し物、ギョウザ、スモークで、台湾では刺身、フライ、韓国では薫製で、ロシアでは刑務所での利用もみられている)

 

総 供 給 量

  本年は輸入量が依然養殖系の増加がみられてはいるが天然物の低調な漁、期首在庫も昨年を上回り、沖獲りの減少、及び秋サケの減少もあって、建てマスの増加も反映されず、総供給量は、前年を下回る52万トンとなった

                                                                                              

消費地入荷量と価格

  サケの消費地入荷量は、生2.6万トン(前年2.4万トン)、冷6.5万トン(前年5.1万トン)、塩5.2万トン(前年5.5万トン)であった。

 本年の入荷の特徴は、昨年以上に末端での安値販売が浸透したことと、秋サケの豊漁もあって生鮮が伸び、同時に冷凍も原料として増加したのが目立った。

 順調に伸びてきた生秋サケは、切り身、生フィレーでの販売がすっかり定着し、入荷も増加傾向にあり、本年も特に初期の北海道での好漁があったことで、更に入荷は増加した。また、製品である塩蔵物(切り身商材)も本年はやや減少したが、末端での安値は更に進行しつつあり1切れ100円時代から更に安い88円等の価格での販売が常態化している。

 家計消費でみると生鮮・塩とも量的には増加している。

  価格は、生621円(前年738円)、冷482円(前年583円)、塩661円(前年689円)となった。

 特に生鮮は秋サケの豊漁により、また冷凍は輸入養殖系の大量搬入により、安値が目立った。

既に昨年もみられたように生鮮秋サケは現地での多少の高値は、末端価格に大きな転化がみられなくなっており、デフレ傾向が一層進行している。この安値はノルウェーやチリ現地での生産を圧迫しており、次年度以降は原産もうわさされている。