00年タコ
単位:数量,1000トン、価格,円/kg |
輸入の動向
12年の輸入量(イイダコ含む)は、11.6万トンで前年の10.3万トンを上回り、輸入の減少に終止符を打った。
本年のモロッコ、モーリタニア沖の漁も比較的好調で、特に前年来の冬タコの搬入もみられた結果、本年は輸入量が大きく増加した。
本年の夏ダコ漁は2〜4月のモロッコ沖の長期休漁(モーリタニアは操業)明け後も前年の冬タコに引続いて特に前半は好調で、ダクラのツボタコ漁も大型主体に順調に推移した。9、10月の休漁を挟んだ冬ダコ漁(国内搬入は2001年になるため2000年には供給されない)も前半は春漁ほどではないが好漁で来年の搬入(4.5万トン前後)が確定した。
また、現地での漁のアソートは春漁が大型主体(1,2,3番)で4,5番を入れて80%と多く、逆に冬漁は少なく小型(7、8、6番サイズ)主体であった。
市況は、前年来の漁の復活があり、休漁措置も長かったが浜値の下落が一層進行した。
しかも円高に反転したこともあり輸入コストも下がり、じり安傾向となった。こうした浜の好漁もあって現地では2001年の休漁が前倒しとなり、1〜4月までの史上最長の異例の長きに亘る休漁が決まった。
輸入国は、依然モロッコが一番多くそのシェアが更に高まり、シェアが62%(前年51%)となった。続いて、モーリタニア(18%)で前年(21%)と下回り、モロッコ一極集中の漁の回復となった。またアジア系では、タイ、中国、ベトナムの順となりタイ、中国からの輸入が増加した。
輸入価格も、335円と引続き前年(436円)を下回ったが、これは、浜値の続落によるものである。
在 庫 量
本年の平均在庫量は、3.7万トンと現地での豊漁を受けて年明け以降の輸入量の増加を反映し、前年(3.2万トン)を上回った。本年は昨年以上にアフリカ沖での豊漁による国内搬入の増加がみられ、また市況の安値浸透もあって末端マーケットでは周年を通じて特売が組まれていた。
越年在庫は3.1万トンで前年(2.8万トン)をかなり上回ったが、年明け後は1月から4ヶ月の長期にわたる休漁が予定されており、上半期以降の市況が注目される。
また、本年は漁獲アソートが前半大型、後半小型に片寄り、総じて寸胴型の在庫であった。
消費地入荷量と価格
12年の消費地入荷量(10大都市)は、4.6万トンで好調な輸入量を背景に前年(3.7万トン)を大幅に上回った。タコ離れによる末端マーケットもすっかり立ち直り、本年も消費地では潤沢な入荷となった。
本年の上半期の当初には高値在庫の処分が浸透したが、小型が少ない情報もあって小型の手当買いがみられた。また、本年も当初から特売がありその頻度も高かったが、潤沢な在庫を背景に末端での安値傾向は周年続いた。
家庭消費支出も、量的に昨年を上回る増加となったが、末端価格の安値が浸透したことを受けて、購入金額は本年も減少した。
価格は、511円で、前年(648円)をかなり下回ったが、当初から前年を下回っており年間を通じて安値が顕著であった。