00年サケ.マス
単位:数量,1000トン、価格,円/kg
漁 獲 量
12年の北洋サケマス漁業は、ロシア200海里枠が中型船12,810トン(前年17,200トン)、小型船3,300トン(前年3,000トン)で源泉もあり中型船の減少が目立った。入漁料は中型・小型ともキロ当たり1から2円の上昇で夫々243円/s、247円/sであった。また、漁は昨年良かったベニの漁獲が減少したほかトキが前年並みであったほかは、ギンとマスも減少が目立った。またオホーツク建てマスは好漁であった。
日本200海里枠5,920トン(カラフトマス主体5,123トン)で前年を上回った。
秋サケ沿岸漁獲量は、北海道3,100万尾(前年3,578万尾)、本州947万尾(前年880万尾)、トン数では北海道10.4万トン(前年12.5万トン)、本州3.1万トン(前年2.9万トン)であった。 北海道では依然減少傾向が続き、また、本州では主体の岩手県でも若干減少し、平成年代で最も低調な漁で4年続きの減少となった。なお本州の増加は主に日本海側の増加によるものである。本年も総量の減少もあり、フィレーやとば原料としての冷凍品の少なさが目立っている。
価格は、本州が若干下げたものの北海道は漁の落ち込みに引続き堅調相場となった。
魚体は、北海道3.36kg(前年3.49kg)、本州3.28kg(前年3.26kg)で北海道がやや小型化し、本州が昨年並みであった。
国内養殖銀ザケは、サケ類全体の供給過剰の中で減産傾向が続いていたが、一昨年から生産の減少が止まり本年は1.3万トン(前年1.2万トン)とやや増加した。しかし、輸入物、特にチリ、ノルウェー等のギン・トラウト、アトランに押されている現状に変わりはなく、本年も苦戦を強いられおり、引続き宮城県を始めでブランド化も試みられている。
輸 出 入
12年のサケマス輸入量は、23.2万トンで前年(23.8万トン)をやや下回った。
この若干の減少は概ね北米を始めとした天然物の不漁が反映したものである。
国別輸入量は(全てのサケマス類)、米国4万トン(前年5.4万トン)、カナダ0.5万トン(前年0.65万トン)、ロシア2.6万トン(前年2.5万トン)であった。
また、昨年初めて米国をぬいてトップにたったチリを始めノルウェー等各国からの養殖ギンサケ、アトランティックサーモンやトラウト等は各生産国での増産意欲も強く、本年も順調に搬入された。そしてベニに替わる定塩や振り塩製品の原料としての利用を始め、外食産業等での需要も安定しつつあり、全国的にそのマーケットを拡大しつつある。生指向(刺身指向)の中で身色の良さ、脂の乗り等で刺身・寿司種商材として益々全国的に定着化している。輸入国もチリ9.9万トンで前年の7.4万トンを上回り史上最高を記録し、ノルウェーも5.4トンで、前年6.7万トンをやや下回った(狂牛病等の影響でEU向けの増加の影響もある)が、大量搬入には違いなく、オーストラリア、ニュージーランド等依然広範な国からの輸入も変わりなくみられている。
輸入価格は、497円で前年(562円)をやや下回った。これは、何よりも養殖物の安値と北米ベニの当初の高騰もなく買い付けができたことである。
また、近年まとまった輸出がみられていたアキサケは、国内漁の引き続く低迷もあって0.5万トンと引続き前年(0.3万トン)をやや上回ったが、以前の大量輸出にはなっていない。
輸出先は、依然中国(約3千トン)が60%以上のシェアーで多かったが、前年(2千トン)に比べても極端ではなくシェアも落ち気味であった。続いてロシア577トン、タイ486トン、台湾348トン、韓国237トンであった。(中国ではフライ、蒸し物、ギョウザ、スモークで、台湾では刺身、フライ、韓国では薫製で、ロシアでは刑務所での利用もみられている)
総 供 給 量
本年は輸入量が依然養殖系の増加がみられてはいるが天然物の低調な漁、期首在庫も昨年を上回り、沖獲りの減少、及び秋サケの減少もあって、建てマスの増加も反映されず、総供給量は、前年を下回る52万トンとなった。
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消費地入荷量と価格
サケの消費地入荷量は、生2.4万トン(前年2.3万トン)、冷5.1万トン(前年4.8万トン)、塩5.5万トン(前年5.2万トン)であった
本年の入荷の特徴は、末端での安値販売が定着したこと=量販店等での利益商材であったことで生鮮・冷凍・塩蔵とも増加したのが目立った。
今まで順調に伸びてきた生秋サケは、切り身、生フィレーでの販売がすっかり定着し、入荷も1昨年を除いて年々増加していたが、本年は北海道・三陸とも漁が不振であったもののそれなりに入荷は維持し、安定した定着性をもったことを意味している。また、贈答品や市場流通の主軸である木箱主体の塩蔵物(切り身商材)も本年は増加が目立ち、末端の変化もあるものの安値による浸透が際立った。
家計消費でみると生嗜好を反映して生鮮は量・金額とも増加した。
価格は、生738円(前年772円)、冷583円(前年709円)、塩689円(前年829円)となった。
生鮮・冷凍・塩蔵とも原料の安値の影響で、製品安が目立った。生鮮秋サケは北海道の高値はあったものの、末端価格に大きな転化がみられなかったのが特徴で、消費小売段階でのデフレ傾向がみられた。