全国主要漁港における1~20日の生鮮釣カツオ水揚量は、前年同期比10%増の1554トン(速報値)だった。千葉・房州勝浦は37%増の1320トンで、全体の8割強を占めた。
漁場は4月から遠州灘沖と房総南東沖に形成し、3~4キロ台が主体。脂がのるため、昨秋に日本近海に来遊したが南方に戻らず、近海で越冬した魚であろう。
3~4キロサイズのうち、成熟したカツオは南下回遊を始め、近海の同サイズは減少していく。漁場は徐々に北上し、6月に銚子東沖の黒潮続流上になると予測する。さお釣船は銚子東沖で獲れ始めたビンナガをしばらく狙う見通し。
黒潮は昨年と一昨年、東北のごく沿岸を黒潮続流が北上し、暖水系のカツオにとっては東北海域に北上しやすい状況だった。沿岸に好漁場ができ、暖水が勢いよく北に延びること(続流の北偏)で、東北北部にも来遊しやすい海況条件だった。
黒潮続流の北偏は大蛇行と関連があるとされ、現状だと続流は東沖に向く。大蛇行が収束すると、続流は東北沿岸を北上する流路にならず、今年の漁場は過去2年よりも遠くなるという。東北海域には暖水渦もあり、カツオが入り込み漁場になることも十分考えられる。暖水の渦の影響も注視したい。
(みなと新聞取材)