7月1~17日の全国主要港の生鮮スルメイカ水揚量(速報値)は、記録的不漁だった前年同期より22%多い492トン。147トンの石巻(宮城)、92トンの三沢市(青森)、56トンの白糠(北海道)、51トンの八戸(青森)など三陸物が中心を占め、日本海側は不漁が顕著だ。
三陸沿岸は近年弱かった冷水(親潮)の差し込みが強かったが、6月以降に暖かい黒潮が入ってスルメが好む水温になり、以降石巻の小型底引網などが上向いている。魚体は80~120グラムと小さい。6月下旬以降は八戸や三沢、白糠の昼イカ漁が始まり、辛うじて獲れている状況。
日本海側は、金沢から越前以外、まったく駄目。金沢では小型イカ釣などが揚げるが、5~6月の水揚げは例年の3~4分の1で推移。7月には早くもピークを過ぎたもようで、魚体は167~240グラム中心、250~300グラムが1割ほど混じる。
石川県の5~8月の予報でも、スルメ来遊は平年を下回る見込み。能登半島北方沖の水温が高く、スルメの北上を遅らせ、とどまらせる効果が期待しづらいこと、昨年ふ化した幼生が少ないという調査結果などが背景。
(みなと新聞取材)